甥(姉夫婦の息子)が高校留年の末、国立大の理系学部に合格した。


甥は勉強が得意な姉夫婦の元に生まれたが、本人はどうしても勉強に身が入らず、高校も両親が卒業したトップの進学校には入れず、高校在学中にも留年をした。


甥が高校を留年したことを何かの流れで私の友人に話した際、高校留年するってやばくない?とその友人から言われた。

私は、私の同級生にも留年した子はいたし、そういう子は一定数いると思うと話したが、友人は頑なにそういう子は少ない普通じゃないと言い放った。

私はその時、その友人に危険の烙印を押した。こういう話はしてはいけない、近くなってはいけないタイプの人だと。


友人からやばいと言われた言葉を、私は私の中だけにしまい込んだ。そして、やばいのは友人の発言だとひそかに思った。


姉はある時期から甥に勉強のことで何も言わなくなったそうだ。

そして程なくして、甥がこれまでにないくらい勉強し始めたそうだ。

やがて第一志望の大学に合格。


本当に良かったと心から思った。

姉が何も言わなくなったことがどこまで影響を与えたのかは分からない(影響したのは確かだと思うが)。


でも世の中にはやばいと言った友人のような発言をする人は多くいて、それらの人々は(多分)無意識に人の道を阻んでいる。無意識だからこそ、タチが悪い。大事なのはいち早くそういう人を見極めて距離を取ることだろう。


でもそれが家族だったら。

幼い頃からそういう言葉を浴びせられていたら、逃げられない子供たちは一体どうしたらいいのだろう。


私は、私自身がそうであったから、あの子供時代に自分を守るために一体何が出来たのだろうと今でも思う。

今でもあの時、何が出来たかなんて分からない。それどころか私は未だにあの頃の私を救って欲しいのだ。