福島県の原子力安全対策課が、ものすごい隠し玉のデータを出してきました。
大熊町のモニタリングポストに仕込んであった、ガンマ線のスペクトルデータの経時変化のデータなのですが、
平成23年3月11日14時00分~3月16日16時40分という、事故が顕在化する前から、4号機と2号機で爆発が起きるまでの間をくまなく取ってあるのです。
http://www.pref.fukushima.jp/nuclear/info/pdf_files/120207/1.pdf
これらのグラフは、横軸がガンマ線1粒子あたりのエネルギーをあらわします。そのエネルギーは、発生源の原子の種類と対応するので、
どの時点で、どの原子(同位体)が出たか、が推定可能なデータなわけです。
ただし、まだスペクトルから原子の種類を同定するところまではできていないらしく、
(数表と付き合わせて同定するだけなので、簡単なことのはずなのですが)
全700枚以上の生のスペクトルデータがそのままのかたちで広報されています。
だから、私のような知識のバックグラウンドのない人間には、手も足も出ないですが、
爆発までは、個別の原子を判別できるような、線スペクトル(ピーク)が見えているのに対し、
爆発後は、ベースラインがあがって、やがてピークが見えなくなってしまいます。
これは、勘ですが、
ベースラインがあがったのは、より高エネルギーなγ線が強く入るようになって、光電効果(ガンマ線のエネルギーを全部吸収して電子が飛び出る)ではなく、コンプトン散乱(高エネルギーのガンマ線に、電子が弾き飛ばされる)で現れたブロードピークであり、結局は、「振り切れた」状態のようです。
肝心な時間帯‥‥3号機の爆発あたりから、このベースラインの上昇で、プルトニウム系の原子の有り無しが埋もれてしまっています。(※)
あと、もうひとつは、3号機が爆発した前後での、ピーク数・種類の変化がないかどうかに注目したほうがいいでしょう。
プルサーマル‥‥いいかえれば、プルトニウムを含む燃料を使い、プルトニウム系の同位体を出してくる可能性があるためです。
確かに種類が増えているので、これらの中にプルトニウムがふくまれていなければいいのですが‥‥。
来週あたり、ピークの同定のデータ集を得るために、図書館へ行ってハンドブック類をあさってみます。
(※)3/4修正