夏休みに入りました。

 今年から、道東でも夏休みの期間が延長されました。

 自分の町では、夏休みが31日間となりました。

 このところの地球温暖化、いえ、地球沸騰化を受けての措置です。

 昨年は、道東でも、信じらない暑さの日が2学期初めに続きました。

 教員になった頃には、まさか北海道で、夏休みが1ヶ月に及ぶ日が来ようとは思ってもみませんでした。

 

 さて、この夏休み中は、自分の持っている年休などを消化して、自由に過ごし方をデザインすることが本来は可能なはずですが、実は年々、それが難しくなっています。

 

 管理職は、長期休業中は「原則として勤務だ」などと宣言して、できるだけ教員が学校に出て来るように圧力をかけてきます。

 

 本来、日常的に残業手当が出ない教員は(特給法はありますが、実際は実態に合わず、定額働かせ放題の状態です)、この長期休業中にこそ、日頃の超過勤務分も含めて、じっくりと体を休め、体調を整えられるはずの貴重な機会な訳なのですが、管理職は、あの手、この手で教員に「出勤させよう」と圧力をかけます。

 まあ、背後には管理職への教育委員会や教育局などからの圧力もある訳ですが。

 

 荒く言えば「民間にはそんな長い休みは無い。教員だけが休んでいたら世間の風当りが強いだろう。民間並みに出勤せよ。」

という訳です。

 公的な教員の研修会や会議も、わざわざ、夏休み中に(それも休みのど真ん中などに)設定してきます。

 

 全くナンセンスです。

 少し前までは、教員は、この長期休業期間中に、自分の勉強したい本をじっくりと読み込んだり、授業の教材になりそうなことを集めるために旅行に出かけたりすることが自由にできました。

 

 しかし今は「強い圧力」がかかります。

 例えば本来、年休とは、職員が自由に休みを取れる「当然の権利」ですが、この消化日数に口を出して来たり、夏休という特別休暇も学期中ではなく夏休み中に消化するよう圧力をかけてきたり、教育の夏休みの過ごし方のデザインに執拗に干渉をしてきます。

 明らかに違法ですが、教職員組合の組織率も下がった現在、なかなか現場の声は反映されません。

 

 しかたなく教員は休み中の大部分を出勤し、クーラーも効かない劣悪な職員室に縛り付けられ、暑さの中、能率の悪い仕事を進めるしかなく、「今日も勤務した」という実績だけを作らされます。

 これですから、今時の若者が教職を選択しなくなるのも無理はありません。

 自分の休暇すら自由にデザインできない職場に、わざわざ就職しようと考える若者は、今時、少ないでしょう。

 

 職員室には「定時に帰りなさい。「働き方改革」です」という管理職の声だけがむなしく響き渡ります・・・