潰瘍性大腸炎さんがなかなか別れてくれない

潰瘍性大腸炎さんがなかなか別れてくれない

潰瘍性大腸炎と付き合って30年目に大腸全摘した人のブログです。手術後の経過と大腸のない生活について綴っています。
難病の医療費受給者証も継続中。潰瘍性大腸炎さん、いつになったらわたしと別れてくれますか?

潰瘍性大腸炎で大腸全摘してのち、3回目となった回腸嚢炎もすっかり治った2025年の秋。私は新しく処方された、あるクスリに救われた。しかし私はこれを手放しで喜べない状況にある。なぜなら、そのクスリはいま、市場への供給が止まっているから・・・。

 

 

秋、私は予約外来で消化器内科(IBDセンター)を訪れていた。いつも通り「調子はどう?」と主治医が聞くので、「まあまあだよ」と私は答えた。

 

フラジールを毎日服用することで、そこそこ調子が安定した私。排便回数は減らないものの、便意切迫感が収まったことで、だいぶ生活がしやすくなった。

 

秋口に調子を崩したのは、寒さに体が慣れていないせいだと思う。寒くてトイレの回数が増えると、おしりが凝って坐骨神経痛が出る。私はこれを何度か繰り返している。しかし、昨年の秋はもっと、無敵なくらい調子がよかった気がした。

 

これについて、主治医は「ジセレカが効いてたんだろうね」と言った。私は昨年夏に回腸嚢炎で入院したあと、ジセレカを服用したのだ。服用開始からちょうど2ヶ月経ったころに効いてきて、それが昨年秋だった。

 

「でも効かなくなっちゃったでしょ」と主治医は続けた。まるで私の心の内(あのころに戻れるならまたジセレカ飲んでいいかも)を見透かしたように。そうだった、ジセレカがずっと効いていたら、3回目の回腸嚢炎はなかったはず。

 

フラジール継続により、CRP はずっと 1 mg/dl 台に落ち着いている。貧血もない。ものすごく調子よくはならないけど、ものすごく悪くもならずに済んでいる。きっとこの先もこの状態が続いていく。私は漠然とそう思っていた。

 

しかしその日は、主治医が「何か困っていることはある?」と聞いたので、私はそれまで言ってなかった、あることを伝えた。

 

「私、毎朝下着を取り替えているんだよね。睡眠中に下着が汚れるから。普通に漏れたときは目が覚めるから、気づかないで寝てるってことはたぶん、寝てる間にガスが出て、そのとき少し漏れてるんじゃないかなって思ってる。」

 

これを聞いた主治医が、私に「試してみない?」と言って処方したクスリ、それがポリフル。ポリフルは過敏性腸症候群によく処方されるクスリで、腸内の水分量を調整するはたらきをするため、下痢にも便秘にも効く優れものらしい。私の場合は、ポリフルが腸内の余分な水分を吸収してくれることを期待して処方された。

 

ポリフル錠500mgの画像

(画像はポリフル錠500mg。錠剤の大きさはペンタサと同じくらい。相変わらず、腸に効くクスリは大きい)

 

このポリフルはジェネリック薬で、先発薬はコロネルという(※1)。実は、私はコロネルの服用経験があった。大腸全摘から1年後の2022年、腸閉塞で地元の病院に入院したとき、お試しで数日間服用した。しかしこのときはまったく効果を感じなかったので、今回のポリフルもあまり期待はしていなかった。

 

ところが、今回ポリフルを飲んだら、翌日から効果を実感した。まず、水様便の回数が格段に減った。そして一番うれしかった効果は、睡眠時間が伸びたことだ。

 

大腸を切ってからというもの、私の連続睡眠時間は5、6時間に減っていた。理由は、就寝後5〜6時間でおしりに不快感が出てくるため、トイレへ行かざるをえないから。言い換えれば、私の小腸が排便を止められる最長時間、それが5、6時間だった。

 

これが、ポリフルによって伸びた。8〜9時間、連続して寝ていられるようになった。そして、目が覚めたとき下着が汚れていることも減った。ここまで効果を得られるとは、正直まったく予想していなかった。

 

私はポリフルのおかげでQOLが格段に上がった。常に感じていた軽い脱水症状は完全になくなり、湿度の低い季節になっているのに、肌の乾燥が改善している。そしてなにより、しっかり睡眠できるようになったことで、腰痛が減り、疲れやすさも改善したことがうれしい。

 

 

しかしながら、私はこの状況を手放しで喜べない。

 

なぜなら、ポリフルが非常に入手困難なクスリだから。そして、私がこれを投稿している現在、もはや入手不可能になっている可能性すらあるからだ。

 

理由は、ポリフルの製薬会社がポリフルの供給を停止しているため。なぜ供給停止しているのかというと、ポリフルの製造工場に問題が起きているから、らしい。

 

ざっくり言うと、製薬会社がポリフルの製造を委託している先はこの一社(工場)だけ。その工場で発生した問題が解決しておらず、安定した製造ができない状態(製造遅延)。そのため需要に対して十分な量(出荷数)が確保できない。だからしばらくの間、市場への供給を停めます。という話。

 

それならば、一時的にでも他の工場に製造してもらえばいいじゃないか、と素人考えでは思う。しかし、それは簡単ではないということを、私は12月19日放送のガイアの夜明け「追跡!ジェネリック薬~製薬の”再編”が始まる~」を観て知った。

 

 

ポリフル製造販売元のヴィアトリス製薬が、ポリフル供給停止のプレスリリースを発表したのは2025年10月のこと。

 

その10月以降も、主治医は私にポリフル錠500mg(1回2錠1日3回)を処方。私はいつものように処方箋をかかりつけ薬局に持っていった。しかし前々回、かりつけ薬局にポリフルはなかった。その薬局グループ各店すべてで在庫がない状況だった。なので私は、最寄駅の反対側の薬局でポリフル錠を受け取った(※2)。

 

そして前回、前々回のときはポリフルがあった薬局の在庫もなくなり、処方箋の受け取りを断られた。なので今度は、最寄駅から5駅離れた場所の薬局まで行き、なんとかポリフルを受け取った(※2)。が、次は渡せる保証がないと言われた。

 

そんな状況にあるため、いま私は、1日3回で処方されているポリフルの服用を1日1回に減らし、手持ちのポリフルがゼロになる日を少しでも遅らせようとしている(※3)。

 

実際のところ、夕方に1錠飲むだけでも私には効果がある。最近、寝起きのトイレが小だけのことがある。それがその証拠だ。

 

なお、私の症状に対してポリフルの代替保険適用薬はないという。

 

 

はたして、次の外来でも主治医は私にポリフルを処方するのだろうか。そのとき、まだポリフルを在庫している薬局は存在するのだろうか。

 

そして、ポリフル安定供給の道筋は見えてきてるだろうか。

 

私はこれを、ただ不安に思うしかできない現状がもどかしい。

 

 

【2026年1月31日追記】

今月の外来ではポリフルは処方されなかった。理由は、ポリフルがもう市場にないから。主治医は「だから大事に飲んでね」と言った。これは、調子がいいときは飲まないで取っておくという意味だ。

 

私はポリフルを飲まないことに不安があったので、量を減らしてみることにした。これまで夕方2錠服用していたところを1錠に。これでどうなったかは、また別の機会に。

 

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※1:コロネルは2024年に販売中止

 

※2:私が普段と違う薬局でポリフルを受け取ることができたのは、かかりつけ薬局の薬剤師さんが、あちこちの薬局へ電話で問い合わせてくれたり、事前に処方箋を送ってくれたりして、私が確実にポリフルを受け取れるよう尽力してくださったおかげである。いつも本当に感謝している。

 

※3:服薬回数の変更は主治医の許可を得ています