今夜は風の音が響きますね。





風の強い寒い夜

重い心臓病の手術をした後一度も意識が戻らなかった康司のいるICUから連絡があり

私が駆けつけて間もなく息を引き取った

康司は「お母さん」とも言わずに死んでいった。

そして

死んだ後、涙が目から一筋流れた。




何時間か後駆けつけた姑は「弱い子は死んだほうがいい」と言った

舅は弱い子を産んだ持病のある私に康司の亡骸を渡そうとしなかった。

夫は泣くだけだった。





大雪の降る中、お棺に入れず抱いて家に連れて帰ることになった康司を

舅の手から私の母がもぎ取って私に抱かせてくれた。

家に康司を連れて帰る車の中で

康司はだんだん冷たくなって硬くなった。




それからの記憶は一年くらいはっきりしない。





あれから私は何度も何度も手術をした。

今も後遺症で苦しい。

あの時康司と一緒に死ねば良かった。







今でも風の強い寂しい夜には必ずあの夜を思い出す。