棚橋vsジェリコ戦をドームで観た。


試合前、煽りVが流れると会場から笑いが起こった。





その前のジェイvs飯伏でジェイと外道さんが悪いことをして勝って、面白かったけれど、ちょっと後味悪い感じの雰囲気で始まったセミファイナル。

棚橋さんのジェリコを真似たメイク…



「かまってちゃん」炸裂のシャウト…

乱入もなく記者会見もなくジェリコに対して『なんだよ拍子抜けだなー』と正直私は不満に思っていたので激しく共感した。

笑いながら…昨年の棚橋vsケニー戦の煽りVを思い返していた。




イデオロギー論争により、煽りVが流れた時の会場の雰囲気は非常に緊迫した重々しい空気になっていた。

棚橋さんの主張を支持しつつも、ケニーの想いもわからないではなかった。
ケニーのことは苦手だけど、でも新日本で自分の目標のため、ファンのため、がんばっていたケニーの姿も観ていたから。
相反して葛藤する感情に激しく揺さぶられていた。

プロレスを始めて観るという方に棚橋vsケニー戦をお見せした際、

切れ味鋭い棚橋の舌戦に
『棚橋めちゃめちゃかっこいいっすね!!!』
煽りVを観ながらそう言い、試合への期待度が高まったのがわかった。

プロレス初心者さんたちは、画面越しにも伝わるその緊迫感にただならぬものを感じ取り、食い入るようにその後の試合動画を観ていた。

泣きたくなる程の緊迫感。
明るく楽しいワクワク感。

両極端なふたつの感情。
どちらにもお客さんの気持ちを揺れ動かせる。

棚橋弘至の振り幅の大きさに感嘆した。


そして入場。

シンプルなジェリコと




カラフルな棚橋弘至




ふたりは外見からして対照的だった。



ポップでゴージャスで、この2人の試合はMarvel映画みたいだなーと感じた。


ベテランふたりの試合は、正直他の試合に比べて間合いが長いなと感じたが、ベテランならではの重厚感とも捉えられる。
飽きさせないよう随所でなにかしらのアクションを多彩に盛り込まれていた。

お互いを小馬鹿にしあう、技以外でのアクションのスパイスが微笑ましくも楽しかった。









ジェリコは、視野も広くて会場の観客だけでなく配信動画を観ている観客をも巻き込もうと仕掛けるところ凄かった。

棚橋さんがジェリコのエアギターからのボディプレスを躱したあとにカメラ目線で「ニヤリ」と笑ったのは面白かった。

会場の観客の心をがっちり掴んでいた。
直後に会場がわぁ!っと沸いてた。

ドームの観客の7割はリングが遠くて主にモニター観てる時間も長い。
今回の『カメラ目線ニヤリ』はそれを踏まえての行動なんだろうなと思って「ドームでの闘い方」を心得ているなぁと思った。

試合最後のハイフライフロー。
その前に出したファイナルカット。
ツイスト&シャウトの入りだったのでツイストするのかと思いきやファイナルカットへ。

私は2019.6.9に大阪城ホールで『産まれた』新技を思い出していた。

思えば城ホールメインのオカダ戦後に暴れ回るジェリコからオカダを庇ったことから派生した今回の試合。

ストーリーが繋がっていることを技で見せるなんて粋だなぁと思った(そういう意図だったのかどうかは御本人のみぞ知る、ですが。)

フィニッシュをハイフライフローから変えるかどうか葛藤していた2019年。

新技に似たファイナルカットをHFF前に敢えて繋ぎ技として使うことで、ハイフライフローをフィニッシャーとしてこれからも使っていく『覚悟』を私はそこに見た。








棚橋さんが負けて悔しかったけと、楽しかった。






棚橋vsジェリコはドリームマッチ。
待望の試合。
今回の試合は夢の終わり。
夢の続きはいつかまた必ず。観たい。

棚橋さんの2020年はまだまだこっから。
根拠のない自信は無敵さ。
今年も応援するのが楽しみです!!!