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NAOが何やら箱のような物を抱えて帰ってきた。
袋ごとテーブルに置く。
ビニール袋が好きじゃない僕は、NAOが袋から出すのを待って
テーブルにピョンと飛び乗る。
「これなぁに?」
僕が訊くと、NAOは箱から出しながら
「ノートPCを置く台だよ」
と教えてくれた。
僕とお兄ちゃんは、危険物でないかどうかクンクンして確認する。
うん、大丈夫みたいだね。
「これ、なんだ?」
お兄ちゃんが穴に手を突っ込みながら訊く。
その台は、置き場所の真ん中に大きめの穴が開いていたんだ。
「それはね、ノートPCに籠もる熱を逃がすための穴だよ。
使ってると、熱くなってくるから」
ノートPCには、僕たち近寄ったことはないけど(使うのは【りもーと】の時
だからね。近寄ると怒られちゃう)、熱くなるんだ!
「熱くなったら火事とかにはならないの?」
「大丈夫だよ。そこまで熱くならないから」
NAOが早速その台にノートPCを置いてみている。
「角度調整出来るし、使いやすい♪」
ノートPCを触り、NAOはご機嫌だ。
「お手頃価格だったし、いいお買い物したわぁ」
はしゃぎ気味に言っている。
そんなNAOを見て、僕とお兄ちゃんは額を付き合わせた。
「無駄な買い物にならなかったみたいだな」
「そうだね。時々NAOは考えずに買って、使えないのあるからね。
無駄遣いにならなくてよかったよ」
「ん?なに密談してんの?」
こそこそと話をする僕たちを、胡散臭げに見るNAO。
「な、なんでもない」
「な、なんでもない」
僕とお兄ちゃん、2人して引きつった笑いを顔に貼り付けながら
同じ台詞をハモった。
「そう?ならいいけど」
NAOはノートPCと台を片付けると
「もう遅いからご飯にしよっか」
そう言いながらキッチンへ向かう。
僕たちは、慌ててNAOの後を追った。