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僕はご飯を食べるとき、嚙まずに飲み込んじゃったりすることがある。

そういう時は、食べ終わって暫くすると、気持ち悪くなったりするんだ。

だからNAOは、いつも僕に

「皇愛、嚙み嚙みだよ~!」

そう言って声を掛けてくれる。

お兄ちゃんはいつもよく嚙んで食べるんだ。

僕もお兄ちゃんが食べてるのを横目で見ながら、マネするんだけど

ついつい飲み込んじゃう。癖なのかなぁ。

「誰も皇愛のご飯とらないからさぁ。ゆっくり食べなよ」

「俺も横取りしないぞ」

NAOとお兄ちゃんはそう言って笑う。

わかってるよう。でも、つい ね。

これからもっと気を付けるようにしよっと。

そうそう。尻尾の話。

お兄ちゃんの尻尾は真っ直ぐ。

僕の尻尾は鍵尻尾。

前はこの鍵尻尾が嫌で。

だって、僕専用のケージがあった時、ケージに引っ掛けちゃったんだよ!

痛かったぁ。

「痛い!痛い!」

って僕が泣いてると、NAOが飛んできて助けてくれたんだ。

お兄ちゃんは何も出来ないけど、後で慰めてくれたよ。

その時から最近まで鍵尻尾大嫌い!って思ってた。

お兄ちゃんの尻尾は長くて、真っ直ぐで。

お座りした時、その尻尾を脚にシュッと巻き付けてる。

それが羨ましくて。

ある時、尻尾のお手入れをしてる僕を見て、NAOが

「皇愛の尻尾は幸運の鍵尻尾だね」

って言ってくれたんだ。

「その鍵尻尾で、いろんな幸運を引っ掛けてきてくれるんだもんね」

え?幸運の鍵尻尾?そうなの?この尻尾が?

僕がポカンとしていると

「ほら、叔母さん家に男のこの孫連れてきてくれたでしょ?

 それに、おばあちゃんもコロナの濃厚接触者になりながら、陰性だったし」

そう言って僕の頭を撫でてくれたんだ。

「黒猫は福猫なんだよ。玲皇も皇愛も肉球黒いし、皇愛なんて、爪も

 黒いのあるしね。玲皇も幸運運んできてくれたんだよ」

何でも、亡きおじいちゃんが頭の血腫を取る手術をした時のことらしい。

退院後の通院検査で、もしかしたら反対側もしないといけないかも って

言われたんだって。そんな時、お兄ちゃんがお家にやって来て。

その後の検査で無くなってる!もう大丈夫!って言われたらしい。

「だから、玲皇も皇愛も私にとって福猫だよ!」

そう言ってまた僕たちの頭を撫でてくれた。

それから僕は、この鍵尻尾が大好きになったんだ!

んん??この写真はぁ~!

ぼ、僕の寝顔!しかも半目開けてる!

いつの間に撮ったんだよ!

今度NAOが大口開けて寝てるところ撮ってやるぅ!