オスカルお嬢様の誕生日は、1755年12月25日
アンドレの誕生日は、1754年8月26日

ふたりが結ばれたのは1789年7月12日ですから、お嬢様33歳、アンドレ34歳です。
ふたりの年齢って、恋愛をテーマにした漫画としては、当時かなり高年齢設定です。

今なら、オフィスラブとか、30歳オーバーの恋愛は色々あるでしょう。
でも1970年代初めの少女漫画では異質です。

そして、原作者様が
『実はアンドレは18歳の頃パレロワイヤルで経験済み』なんて発表しちゃうから、さあ大変!
オスカルお嬢様とアンドレはずっと清い関係(星空キスやブラびりがあったけど)だった、そしてパリ出動前日に結ばれた。
と信じていたファンはパニックに…

未だにこのアンドレは経験有りか?無しか?という議論が時々持ち上がる様です。
私がフォローさせて頂いているブロガーさんがこの内容の記事をアップされているのを読んだ事もあります。

私は現実問題として、アンドレは18歳で経験済み、その後も性◯渉有りだと思います。
オスカルお嬢様は7月12日が初めての経験でしょう?
うまくいかなかったら悲し過ぎます。

でも『ベルサイユのばら』は少女漫画ですからね。
7月12日のシーンは美しく、ふたりが契った(アンドレ風)事が大切で、失敗したら?なんて心配して読んでいた少女はいないでしょう。

それに、当時『ベルサイユのばら』を読んでいた読者は、ふたりの年齢を気にしていなかったと思うのです。

オスカルお嬢様は、アントワネット様、フェルゼン伯爵と同い年。
アンドレはお嬢様の1歳年上。
オスカルお嬢様とアントワネット様とフェルゼン伯爵が出会ったのが18歳の時。
これが読者の頭の中に強く印象づけられています。

作中、過去について語られる事がありますが、オスカルお嬢様が『18歳』以下の事ばかりです。


お嬢様がフェルゼン伯爵と再会した(22歳)時『4年前の18歳の頃がそっくりそのままかえってきた様だ』と頬を赤く染めて考えておられます。
お嬢様、可愛わぁ。この頃からフェルゼン伯爵に想いを寄せていたのでしょうか?

フェルゼン伯爵がオスカルお嬢様の気持ちに気付いた時、彼は『もしもはじめて出会った(18歳)時女性だと気付いていたら…』なんて無神経な事を話します。

あの時お嬢様を女性と認識していればどうなってたのでしょうね?

友情すら芽生えなかった、なんて言うつもりだったのでしょうか?

ジェローデルとの結婚話が持ち上がった時、『あの18の日に、フェルゼンの前に男としてしか存在することを許されなかったのは…』ここでも『18歳』の時の事を思い出すお嬢様。

毒ワイン事件の時、お嬢様は近衛兵としてアントワネット様を守る事を思い出していますから15歳の頃です。

しかしながら、アンドレは王太子妃殿下馬暴走事件後、オスカルお嬢様に命を救われた時の事を思い出して毒殺を思いとどまります。
これもお嬢様『18歳』

こうして読んでいくと、あの官能的な7月12日、ふたりの年齢が、30歳オーバーと考えながら読んだ読者は少なかったんじゃないでしょうか?


原作者先生

少女の夢を壊さないで下さってありがとうございます。




補足説明です。


アンドレがパレロワイヤルで18歳で経験済み、という事はオスカルお嬢様はこの時17歳。

王太子妃殿下馬暴走事件の前、つまりアンドレがお嬢様を命を賭けて守ると誓う前ですね。


原作者様『アンドレに経験有り』これは読者をハラハラさせる発言ですが、絶妙な時期を設定されています。


そしてこれも『18歳』というキーワードが効いています。