スコティッシュ
スコティッシュフォールドの子猫が四肢端の腫れと発熱による元気・食欲の低下で来院しました。


後肢痂皮

前肢のパッド部、後肢の肢端には痂皮状の潰瘍病変を認め、その周囲は腫脹し痛みと熱感を持っていました。

レントゲン検査を行うと四肢端に骨増生を認めました。一見すると骨腫瘍のようにも見えますが、臨床状況からスコティッシュフォールドの四肢に発生する骨軟骨異形成症と診断しました。


後肢XP

残念ながら骨軟骨異形成症の治療法は確立されていません。

この症例は消炎鎮痛剤の治療で痛みが抑えられ元気にしています。

この骨病変は子猫の成長が止まるのとともにストップすることもありますが、進行し続ける場合もあるようです。

スコティッシュフォールドは1960年代に英国で作出された新しい品種ですが、スコティッシュフォールド同士を交配すると四肢の関節炎により歩行困難を示すことがわかりました。そこで英国では猫の血統としては認められていませんが、米国では立ち耳の猫と交配することでこの関節異常を軽度に抑えて品種として確立されました。

日本でもかわいらしい風貌から人気の品種となっていますが、耳の形と骨の異常は常に切り離せない問題となっています。