なかなか改善しない軟便・下痢や嘔吐などの消化器症状を示す若いミニチュア・ダックスフンドでは注意が必要です。
通常若い犬のこうした症状の原因は誤って飲み込んだ異物などが原因していることが多いのですが、ミニチュアダックスの流行とともに若いダックスに消化器(腸管)型のリンパ腫の発生が報告されだしています。
腸や周囲のリンパ節の腫脹が認められ腸管内容の通過障害から消化器症状が認められます。
診断は腹腔内腫瘤の針生検で典型的な所見が得られることもありますが、通過障害が認められる場合などは手術により切除した腫瘤の病理組織検査で診断が得られます。
また腸管のみならず、他の部分にも腫瘍の発生が見られることもあります。
いずれにしてもリンパ腫は血液の腫瘍であり、全身性の疾患ですので化学療法(抗がん剤治療)の適応となります（→抗がん剤治療のページ参照）。
一般に消化器型リンパ腫は治療反応に乏しく、生存期間が短いことが多いのですが、ダックスに発生する消化器型リンパ腫は比較的治療反応が良く、長期生存する例も報告されています。