骨肉腫は人ではまれですが、犬ではしっぽフリフリ大型犬によく発生します。大型犬の多いアメリカでは年間8千頭以上が罹患しています。

好発年齢は7歳前後で、多くは四肢の骨格に発生します。

腫瘍による病変部の骨の破壊が急速に進行し、病的骨折を起こして激しい痛みのため足を使えなくなります。

激しい痛みのために安楽死が選択されることもありますが、多くは断脚手術をすることで痛みから解放されます。

断脚術は犬の四肢の骨肉腫における標準的な治療です。大型および超大型犬の手術後の機能は良好で、大部分の飼主は手術後のペットの運動性に満足しています。

お散歩 おすわり

慣れてくると、3本足でも走ることができます。かがんでトイレをすることもできます。残った反対側の足への負担を減らすために体重管理は重要です。写真の愛ちゃんはお散歩でもグイグイ引っ張るほどです。おすわりも片足で安定する方法を覚えました。日常生活ではほとんど問題ありません。

しかし骨肉腫は転移率が高く、発見した時点ですでに肺への微小転移が始まっていると考えられています。そのため、断脚のみの処置では痛みからは解放されるものの90%の犬が1年以内に肺転移により亡くなります(断脚のみの平均生存期間3-4ヶ月)。

したがって、生存期間を改善するには補助療法が必要です。抗がん剤の治療を行うことで約50%の犬は1年以上生存できます(犬の1年は人の5年に値します)。

わんわん愛ちゃんは平成14年11月に断脚術を受け、約一年間3週間に一度の抗がん剤治療を行いました。治療中は一度も副作用も感じずに終了しました。現在術後1年9ヶ月、再発・転移なく定期検診中です。


愛ちゃんが元気に散歩する姿の動画を公開いたしました。ぜひ、ご覧下さい。