●あの日の予感…。


2009年11月の記事です。
私が感じた父の発症の「前触れ」について書きました。


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父が倒れる前、毎日のように不安な感覚があった。

父がいなくなるような気がして、一人こっそり父の写真を見て泣いていた……。


当時、経営していた会社の慰安旅行で父が香港へ行く日のこと。

その日、いつもなら「行ってくるよ」と言って一人で出掛ける父が、私に「駅まで一緒に着いてきてくれるか?」と。

駅までの道のり…何も語らない父と私。

普段は一方的だけれど私のアホ話をいつもニコニコ聞いてくれる父。

なぜか今日は言葉がでない。

始発電車のドアが閉まり、窓越しにじっと父が私を見ていた。

なぜだかわからないけれど、私の目から涙が流れていた。

その2日後、友達を自宅に呼んで、ランチをしていた時、電話が鳴った。

「ハロー!」

ん?イタズラ電話?

いや、国際電話だった。

オペレーターに変わって、日本語で、父と一緒に旅行へ行っていた伯母が、


「お父さん、倒れたよ!」

今でも忘れない。

思わず頭に浮かんだ言葉は
「やっぱり…」

虫の知らせってやっぱりあるのだろう…

怖くて母に予感があったことが言えなかった。


それからすぐに香港で入院している父に会いに、飛行機に乗った。

まだその時は脳梗塞という病気であることも知らず、

ただ「生きててほしい」

その一心だった。