親父さんが死んで10年ほど経った。
真面目で善人で、これといった趣味もなく、酒だけが友達の人だった。
俺は親父に似るのが怖かった。
性格が似ているところあるから、親父みたいになりたくないとずっと思っていた。
飲んでだらしなくなるところが子供の頃から嫌だった。
ほとんど口も聞かなかった。
死んだ時最初に思ったのは「何でだ バカヤロー!」だった。
あれほど言ったのに、肝臓が悪いのは分かってたのに・・・
でも、後から知ったがアルコール依存症ってゆうのは治らないらしい。
あの人からお酒取ったら何も残らなかったかもしれない。
親父が死ぬ前後の母親の態度に激しく失望して家を出た。
それまでは家族を立て直したいと思っていた。

この世の中では善人ほど生きづらいと感じる。
人を利用しようとしたり、善意を仇で返したりするゴミ野郎がいっぱいだ。
いや、ゴミは悪意で人を傷つけたりしないから、ゴミ以下だな。
どんなに社会的地位があろうがえかろうが、そんなやつは俺は一つも認めない。

親父が死んで、親父の辛さが分かった。
死んだらはじめてありがたさが分かった。
死ってゆうのは取り返しがつかないと当たり前だけど思った。

本当の善人だった。
酒飲みのところは似ている。
寂しかったんだな。
俺の最期もああいう感じかな。
誰にも看取られずに・・・

ほんとはもっとこの世の中をー笑い飛ばして気ままに生きたいー日々の生活に追われ流されてーかろうじて自分を保ってるのさー🎵