見知らぬ人。



私はよく、街で見知らぬおやじに
声をかけられる。


10代の頃は
自転車に乗っていたら
見知らぬおやじに後ろから蹴られたり
「眉毛なんか書いて!!アホか!」
と因縁をつけられたり

見知らぬじいさんから
バス停はどこにあるのか聞かれ
教えてあげると
バス代がないと嘆かれ
なぜかバス代を見知らぬじじいに渡すことになり



20代の頃は熱田神宮の喫煙所で
座ってタバコを吸っていたら
見知らぬおやじにピタッと横に座られ
喫煙者の身の狭さに対する怒りを
なぜかぶつけられ
立ち去ったら
「逃げるのか!」と捨て台詞を言われ


30代になると
さすがにそういった妙なおやじには
遭遇率が低くなったのだが

先日友人と高島屋の
ターシャデューダー展に行き
2人でその後本屋をブラブラし
互いに好きなコーナーを1人でみていた
私は探していた本がなく
精神世界のコーナーへ行き立ち読みしていた

突然見知らぬおやじが
「精神世界の本、好きなんですか?私は○○と○○を読みました。あなたは精神世界の本を読んでどう感じますか?」
と聞いてきた。

え…突然そんな精神世界という大雑把なカテゴリーでの感想を求められても
返答に困る
「あ~…読んだ時は感動しますけど、すぐ忘れますね!」と私は元気よく答えてみた

そのおやじは
「ははは。私はハンドヒーリングをしています。肩こりなどがあれば良かったらヒーリングしますよ。」と言ってきた。


ふっ( ̄▽ ̄)


肩こりはあるし
誰かに揉んでもらいたいのはやまやまだ

しかしヒーリングをしていると言ってくるおやじには
爽やかさを感じられない
どこかギラギラしていて
見るからに怪しいのである

話さなくても
その人を見ただけで
どんなエネルギーを持っているのかわかってしまうというのは
人間が持っている動物的本能だ


肩こりはありませんと言うと
そのおやじは
「わかりました!ありがとうございます!」と、なぜか営業に来て断られたセールスマンのごとく
去って行った



私は20代の頃までは
変なひとに遭遇するとかなり落ち込んでいた


私が引き寄せてるのかしら?!
やだわ!!
私、前世でよっぽど悪いことをしてきたのかもしれないな~と。


しかし年を重ねるごとに
それが妙に楽しく感じるようになった
なぜならネタになるからだ


そして、変なひとを引き寄せてしまう
自分のかなしい性に
失笑するのが好きだったりもする