震度6の恐怖とその後の生活 | LEMSオフィシャルブログ「from LEMS」Powered by Ameba

震度6の恐怖とその後の生活

11日昼、僕は茨城県と福島県の県境の町 震度6強を記録したという茨城県大子町の実家へ向かう途中でした。

地震発生時は大子町の一つ手前の、常陸大宮市の100円ショップダイソーの店内にいました。

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地震発生時、子供と二人で買い物中「あっ地震だ。」と気付きつつも様子を見ていたら徐々に揺れが強くなり、子供と「けっこう強いねー。棚の食器が落ちるかも。」なんて話をしていました。

僕自身は「まぁそろそろおさまるでしょ」なんて思っていたら、治まるどころか地震はますます強くなる!

「これ、ヤバイかも!」と思った瞬間に店内、そして国道の向かいのスーパーも一気に停電したのが見えた。

足元も建物もグラグラと揺れ、ついに天井の板が割れて剥がれ落ち始めた。

それと一緒に照明の蛍光灯も落ち始めた。

「ヤバイよ。これ。」

強くなる揺れとは反対に、僕は持っていた商品をそっと床に置いた。


そして子供に「トワ! 抱っこして逃げるよ!」


今まで経験したことの無い恐怖心が湧いた。


「とにかく隠れよう」と思うも、ダイソーの中なのでテーブルの様な台など見当たらず、店の外に出ることを決意。

でももうすでに一番近くの出口のガラスは割れ、「停電だから自動ドアは無理だ」と考え別の出口を探す。

「この建物は2階建てだっけ? 1階建てか? 上から落ちて潰されるのは避けたい。 早く出よう。」
「蛍光灯が当たるのも避けたい。」でもどこの通路の上にも必ず蛍光灯がある。。

バリバリガシャガシャと音を立て続ける店内。

陳列棚の間を何列か彷徨うと、誰かが叫んでいる声が聞こえた。

ちょうどその方向を見ると、非常口の扉の出口で店員さんが呼んでいるのが見えた。

その時、僕たちと同じように彷徨っていたおばあさんがいたので、おばあさんに「あちらです!」と声を掛け一緒に店内から脱出!

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店の外に出た後にも大きな揺れ。 どうやら、茨城県沖でマグニチュード7.4の余震があったよう。

でもその時ダイソーにいた人たちには怪我も無くみんな無事でした。


それから再び大子町の実家へ向かいました。

道中では崩れた塀、崩れた屋根、崩れた土手、崩れた崖、もちろん信号は全て止まっていました。
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そして国道118号を進んでいると、通行止。

聞くところによると、「橋が崩れそうなので」とのこと。

僕は地元民の車のあとに付いていき別ルートを通って迂回しましたが、その道はかなり細い橋と細い山道なので大型車は通れません。

田舎だけに大通りが限られているため、バスやダンプの方たちはさらに苦労したことでしょう。


そして無事に大子町へ到着。

まずは自宅を見にいきました。

築30年以上になる家が心配でしたが、着いてみると建物には問題なく写真の様に扉が外れていたり、荷物が崩れているだけで済んだようです。

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その後、僕の家族が父の病院に集まっているということなので病院に行きました。

ここで、家族が揃い全員の無事を確認できました。


町内全域、停電、断水。

僕の親の家はオール電化の家。 完全にストップです。

そのまま夕方を迎えたので、いつも僕が滞在する旧家の方へ親も泊まる事になりました。


そしてその後、僕の最後のtwitterへのツイート後、softbankが圏外になり、翌日にはドコモも圏外になりました。


日が暮れてLEDランタンの灯りと、ガスや囲炉裏の火で調理をし夕食。


でも予想外の良いことにも出会いました。

トイレが使えないため、オシッコをしに外に出てみると、すごくキレイな星空!

元々星がキレイな地域ですが、この日は今までに見たことのないくらいキレイな星でした。

町を見渡しても信号も、街灯も点いていない町並み。

見えるのは各々の家庭の僅かな光。

とても不思議な光景でした。


普段の生活に電気は欠かせないことを改めて実感。 「お風呂はガスだから!」と、沸かそうと思ったら「お風呂の機器自体が電気を使うから無理。。」と。。。

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そして、父の病院では来るはずのドクターが来なかったりし、父は病院に付きっ切りになりました。
その後も、父は電波での連絡が取れないため、つねに病院を中心に滞在し、入院している患者さんは暗闇に不安を覚え、電動ベッドを起こしたまま停電になった患者さんはベッドを倒せない、という事態も起こったようです。


霜柱が立つほど冷え込んだ翌日、僕たちは囲炉裏で暖を取れたことが幸いしました。

もちろん震度3~4の余震は定期的に続いていたので、寝る前には囲炉裏に灰を被せ、寝ている時には大きな揺れがある度にドキッと目を覚ましていましたが、やがて大きな揺れがあっても慣れてしまっていました。

翌朝携帯を見ると携帯の電池は切れていました。

電話は通じない、携帯が通じないのはもちろん携帯自体の電源がない。

この時点で連絡手段が無くなりました。

とにかく電気・水道の無い一晩目を過ごして、電気の影響は大きい。ガスが通じているのは助かるな。と思いました。


翌日土曜日、バイパスに行ってみるとホームセンターの「カインズホーム」と、「100円ショップMix」が営業していました。もちろん停電の中で。

カインズでは主に店頭販売。 みんなが並んで買っているのは、水を貯めるポリタンクでした。
Mixでは通常通り店内にお客さんを入れ、レジでは計算機で精算していました。

その店内です。
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そこで思ったことがあります。

各お店で多大なる被害を受け今も停電で営業が出来ない状態ではあるかと思いますが、こういうお店の様に、出来るだけでも販売してくれることが住民の大きな助けになります。

生鮮食品の様に問題がある場合もありますが、それ以外の食品・飲料など、「停電だから営業できない」でなく、もっと販売、、販売できずに捨ててしまう物は提供をしてもらえたら助かる!と思いました。

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町内には「公民館で給水を24時間行っております」と町の車が流しながら走っていました。

この時すでに町内ではガソリン不足。 というのも、ほとんどのガソリンスタンドでは電気を使って給油するため使用不可能。

そして、昔ながらのガソリンスタンド、手動で給油できるところには列をなし、あっという間にタンクが空いてしまったようです。

郵便やさんも「ガソリンがないんです!」と言っていました。


そして迎えた土曜日の夜。

この日は早めに夕飯を用意しました。

夜はラジオを聞き、余震を感じながら、「日本昔話のような生活だね」なんて話しながら過ごしました。

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日曜日の朝も電気が通じないまま迎えました。

もうすでに信号が点いていないのも、余震も、日常の様に町民は対応していました。

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そして、この写真↓
たまたまこのドブの写真を撮った時に気付きました。

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「断水してるのに、なんでこんなに水が流れてるの? しかも普段のドブよりキレイな水!」

そのドブを上がって行って見てみたら、分水地点ではさらに大量の水!

水道管も影響を受けていることに気が付きました。

そして、水が出る家と出ない家があるということも。


その後は意外とのんびりとした日を過ごしました。
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父の本家の方へ様子を見に行きました。
ついでに、湧き水が湧いているので水を汲んで帰りました。

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そして庭を見回っていると「ふきのとう」。
夕飯の1品になりました。

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この日は更に早めに夕飯を支度し、明るいうちに食べました。

そういえば、トイレ。

お風呂の浴槽に水が張ってあったのに気が付き、それをバケツでタンクに入れて流し済ます事が出来ました。

迎えた日曜日の晩。

自然とこういう生活に慣れてきました。

昔の先祖の生活。 その血が流れているからでしょうか。

当たり前の様に、日が暮れる前に行動し、水を補給しに行き、食事を済ませ、日が落ちた後はそれぞれが話を語り、早くして床に就きました。

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そして、今日も完全停電の大子町。

ガソリンも供給できない状態ではありましたが、特別に少し分けていただいたガソリンで本日やっと東京に戻ってくることが出来ました。

各地でガソリンスタンド渋滞。


高速道路も使えない状態で、普段は2時間半の道のりを今日は7時間掛けて東京に戻りました。


これまでラジオで情報を聞き、帰京後テレビで情報を見ましたが僕は幸せな方です。


東京に帰ってきてFMを聞いて、「なんでこんなに呑気なんだろ?」って思ってしまいました。


とにかくとにかく、大子町の様に通信手段が完全に遮断されている地域もあります。


東北地方などのご親族と未だに連絡が取れない方も多いかと思いますが、今は心を強く持って下さい。