★とある中学の話です。過去の話を少し脚色してあります。★
私が担任を引き継いで数日したある日、お弁当持参の日。
朝、学校近くのパン屋でパンを買ってきたクラスで一番のヤンチャなA男とB太。
お弁当タイムが過ぎても、まだのんびり食べていました。
なぜか私の横にやってきて、座る二人。
A「これすげーウマいな。」
B「新作って書いてあった。」
A「センセ、食べたことある?」
私「ないわ。私、あのパン屋さんなら、ウィンナーパンが好き!」
A「オレも!」
B「食べたことない」
私「え!おすすめ!あのね、マスタードが効いててね…」
B「マスタード、辛いからキラーイ!」
A&私「お子ちゃまだなぁ
」
B「うるさーい
」
周りの女子たちも入ってきて、最近美味しいパン屋の話になりました。
なんて平和な会話
AもBも、前担任には、「うるせー、死ね!」「消えろ!」と暴言ばかり吐いていた子です。
前担任がしばらく休むと知らせた時、「休み?やったー!休むんじゃなくて、辞めたらいいんだよ!」と大声で言ってのけた子達です。(もちろん指導)
でも、ヤンチャとはいえ、こんな暴言を吐くほど担任を嫌がっていた子たち。相当嫌で、辛かったでしょう。普段は、ちょっと口は悪くて反抗的なところもあるけど、普通の子たちなんです。
そして嫌がられていた前担任。すごく真面目だけど不器用な人でした。明らかに無視をされ、暴言を吐かれ、辛かったでしょう。
もし…
前担任が、教育実習で「この仕事は自分に向いていない」と判断できたなら、こんなことも起こらなかった。
「中学ではなく高校の教師になろう」なら、相手が多少大人になっているので、まだ良かったかもしれない。
1年目、同僚たちからたくさん指導やアドバイスを受けたけど、聞く耳を持たなかった&理解できなかった&やろうとしてもできなかった…ということで、辞めればよかったのに、続けてしまった。
1年目、授業が成り立たなくて、管理職が毎回授業に補助に入っていたのを見かねて、厳しい先輩があれこれ言ったことで、円形脱毛症になったのを、周りの優しい同僚たちがかばって、「あなたは悪くないよ」と声をかけ続けた。
何をすれば正しかったのか、何をしたのが良くなかったのかは分からないけど、前の担任さんは、心神喪失になってしまった。
パンの話を楽しそうにする生徒たちを見ながら、前担任も本当はこういうことをしたかっただろうに、となんだか切なくなった日でした。
ちなみに、のちに、私がA男やB太に厳しく指導する場面もありましたが、「うるせー死ね」や「消えろ」の類の言葉は一度も聞きませんでした。(裏で言っていたかもしれませんけどね)