私はずっと夢みていた。それは遠い朧げな記憶の中にある優しい面影が私に微笑みかけるのだが、それが誰なのかわからない。何故かとても懐かしく胸が締め付けられて手を伸ばしつかもうとすると消えてしまう。そして一人虚しく闇の中に残って佇む私は、皆が羨むような光る君ではなく、母の姿を求め泣く幼子のように頼りなげにハラハラ泣いていた。おぼろげな記憶の中で微笑みかける女人の影が今ははっきりと目の前に蘇えり、私の腕の中で震える貴方に重なった。
夢中で貴方の身体を開き荒々しく組み敷いた私を、張り詰めたような目で見つめ返す貴方。身体は強張り、か弱い力でわずかに押し返す貴方の手を取り、頬に流れる涙の後を指で追いながら私は「後生ですか、今宵は私だけを見てください。どうか私だけの貴方に…」