御台の御簾を開けて月を眺めていらっしゃるお姿は、この世のものとは思えぬ美しさで今にも天に舞い上がらるのではないかとさえ思われた。
周りの女房と親しく話される様子は、穏やかで母となられる落ち着きさえ感じられる。「ああ、やっとこの目に貴方を映すことができました。近づくことさえ許されない我が身ですが、せめてお姿を心に刻みましょう」
袖の後ろを強く引かれ振り向くとジュンスの命婦の怒った顔があり、手を引かれるまま局の外へ連れ出された。
「この度いかなる所存にてお出ましになられたのですか。」私を人目のつかぬ端まで連れていき命婦が尋ねた。
