「直接、お会できぬならせめて教えて欲しい。女御様のお身体はおかわりないのか。お子は大事ないのか。」「お元気でいらっしゃいます。帝がお気にかけられ、たいそうお大事にされておりますので、ご気分も落ち着かれております。」「ああ、良かった。お目にかかることがもはや叶わぬ身なれど、どうしても聞かねばならぬことがあるのだ。命婦よ、女御様のお腹のお子は…もしやあの夜のお子ではないのか」ジュンスの命婦は驚きとっさに私の口を塞ぎ「決して、そのような恐ろしい事をお口にしてはいけません。女御様のお腹のお子様の父君として許されるのは主上ユノ帝だけです。貴方様にはお関わりなき事にて。」「分かってはいるが、女御様にお会いしてお伺いできないのだ。私達の幼きころよりずっとおそばに仕えるお前ならわかるだろう。お子は私の子か?」しくつこく問われて、青ざめた顔色でうつむき被りを振るう様子から、隠し通す決意が見えた。
ああ、やはり私達のお子なのだろうか…。なんと罪深きことだろう!父帝にはどのようにお祝い申しあげればよいのか!そして何より女御様が心細くされているであろうに、私はお側にいることも叶わず!この度のご懐妊により自分の犯した罪が形となり改めて見せつけられたのだ。
それからは、ジェジュン女御の安産を願う祈願を密かに比叡山の阿闍梨に頼み、今はただ女御とお腹のお子のご無事をお祈りするばかりだった。