シンガポールにはミシュランはありませんので、
三つ星レストランの味を味わうことはできないはず・・・なのですが、
ふと昨年お料理教室を調べていてたまたま発見した
Raffles Hotel Wine, Food and Arts Experienceというイベントに参加しました。

$星の日記

このイベントは、ラッフルズホテルが1年に一度行なっているもので、
ミシュランで星を受賞しているシェフと、
著名なワインメーカーを招待して行なわれるイベントで、
今回は東京のカンテサンスの岸田シェフや
香港の新鋭Bo InnovationのLeungシェフも招待され
ボルドー地区の貴腐ワインの最高峰Chateau d'Yquemから
醸造家のGarbay女史を迎えて行なわれました。

私達が伺ったのは2日目のランチ。
シェフHaeberlin氏はL’Auberge de L’Illというフランスの
アルザス地方のレストランのシェフで、
父の代から42年続いてミシュランの三つ星をキープしているという
フランスを代表するレストランのシェフです。
(この偉業を上回るのはPaulBocuseのみ)

そして、このイベントの最大の魅力は素晴らしいお料理に合わせられた
素晴らしいワインも飲むことができること! 
もちろん、昨日の酒豪伝説はこのイベントのため ニコニコ
どんだけ飲むつもり?!?


今回のラインナップは
Magnum of Champagne Billecart-Salmon Brut Réserve Mareuil-sur-Ay France
2000 Y de Château d'Yquem Bordeaux Supérieur
Magnum of 1985 Château Léoville-Las-Cases Deuxième Cru Saint-Julien Bordeaux
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シャンパンは1818年に創業してからずっと一族で所有されている
Billecart-Salmonのもの。
最良のシャンパン製造者の1つだそうです。

Brittany Line Caught Sea Bass Tartar With Oyster Emulsion and Caviar
ブルターニュ産スズキのタルタルを牡蠣とキャビアのソースで
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そして私も今回のイベントで初めて知った
Château d'Yquemの辛口白ワイン”Y”(フランス語でイグレックと読みます) 
星の日記
Garbay女史によると、ブドウの出来によって作る年と作らない年があり、
もともとは毎年作っていなかったものですが、近年は毎年作っているとのこと。
辛口ワインではあるけれども、どこかChâteau d'Yquemの
甘口とのつながりを感じて下さいと紹介されました。

HPを見ると、Sauvignon BlancとSemillon(通常yquemの甘いワインが作られる品種)が50%でブレンドされていて、軽い圧搾など他のChâteau d'Yquemのワインと製造過程も異なるとのこと。

白は軽いというイメージでしたが、このワインはしっかりフルボディー。
辛口でありながら、どこか甘いニュアンスと樽の木の香りが感じられるワインでした。
普段あまり白ワインは飲まないので、非常に思い出に残る白ワインの1本でした。

Maine Lobster Jelly With Fennel and Tomato
ロブスターとフェンネルとトマトのゼリー寄せ
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Paul Haeberlin Frog Leg Mousseline
カエルのムース仕立て 
(星国では、カエルのお粥を食べるのでなじみのある食材だと思われます)
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そして、私達のお目当てワインの
Château Léoville-Las-Cases
1級に匹敵する品質のワインを生産する2級シャトーをさす、
スーパーセカンドと呼ばれるシャトーです。
ボルドーのオー・メドックのサン・ジュリアン地区のものです。
この地区には1級ワインこそありませんが、今では優れたワインが生産されています。
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畑はChateau Latourのお向かいで、セカンドラベルはClos du Marquis.
説明によるとこのワインの作られた1985年はまれに見る猛暑と厳冬の年。
おかげでこのワインは、実際のvintageよりもだいぶ若く感じられるとのこと。
教科書のような、ボルドーワインの見本のようなワインだとのことでした。
私のグラスでも、若いワインを形容するスミレなどの花の香りから、
だんだんとスモークのような香りに変化することが感じられました。

Herb Dusted Welsh Lamb Fillet With Olives and Thyme Scented Münster Potato
香草をまぶしたラムとオリーブ タイム風味のポテトを添えて
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Marc Haeberlin’s Own Interpretation of Peach
白桃のデザート ピスタチオのアイスクリームとシャンパンムース添え
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三つ星のお料理は、どれも素晴らしかった・・・。
フランス料理のベースである絶妙なソースのバランス。
プレゼンテーションだけにとどまらない味
ラムにいたっては、今まで自分が食べていたラムとは別の食べ物のようで・・・
デザートも繊細な甘さでくどくなく・・・

やっぱり、三つ星を取るということ自体偉業なのに
それをずっと守っているということが素晴らしい。
きっとなみなみならぬ継続的努力があるのでしょう。
シェフは各テーブルに挨拶して下さり、謙虚な温かい方でした。

この至福の一日は今年のハイライトです。。。

三つ星の素晴らしいお料理に
シャトーデイケムのイグレックに
今までの中で一番古いvintageのワインを飲んだこと・・・

めずらしく贅沢しましたけれど、
生涯よい思い出として覚えているだろうから
参加できてとても良かったです。

来年も1月の最終週にイベントがあるそうなので
今からスケジュール明けておきますラブラブ