きみの誕生日だけど


消えてほしい


酔っ払った誕生日だったらしいけど


そんなこと知らなかった


プレゼント買ってたのに



消えてしまえばいいのに


きみのあとに


ぼくも消えるから

ぼくが、きみの知らない人と出掛けた話をした。

 

そしたらきみが

 

「よくその人と出掛けますね」

 

「あっ…、別に、嫉妬じゃないですよ」

 

 

きみの

 

「嫉妬じゃないですよ」

 

という言葉が、

 

少し嫉妬しているように聞こえた。

 

ぼくの勘違いかもしれないけれど、

 

少し嬉しかった。

 

 

 

 

一緒に食事をしていても、きみはスマホに夢中。

 

スマホに夢中なきみの口元は少し笑ってる。

 

誰と、どんなやりとりをしているのだろう。

 

気になるけど、恋人でもないぼくがそれを聞くことはできない。

 

 

きみがスマホから目を離さないあいだ

 

すこしさみしいけど、

 

スマホに夢中でさみしいけど、

 

その時だけは

 

ぼくは、きみをまっすぐ見つめられる。

 

さみしくて、特別な時間です。