平清盛 #50「遊びをせんとや生まれけむ」 | 心の空、映し鏡。

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「お手前の生きてこられた『平清盛』の一生、眩いばかりの美しさにござりまする」

自らの死を悟り、まだやり残したことがあると嘆く生霊清盛に、西行が告げた言葉。
美しく生きることを美徳とする西行にとっては、最大級の賛辞。
少し前にお手前の作る世は美しくないとも言っているけど、清濁併せ呑み、まさに「遊びをせんとや生まれけむ~」を体現したような清盛の一生をそう思ったのに嘘偽りはないのでしょう。
ここで少し、清盛は救われたのですかね。それとも、清盛に捧ぐような後白河院の今様も聞こえたのでしょうか。
そうなると、一門の元に戻ってきた清盛の台詞に違和感を覚えるのですが、それはイタコ西行が頼朝を訪問する場面で明かされました。
その前に、宋剣と共に平家一門に遺言を伝えにきた西行、完全に清盛に乗っ取られてます。それにしても遺言とは、清盛は一体どれだけ西行の庵に居たんですかね?
そしてまぁ、この後を思うとなんとも切ない遺言です。「時忠あらずんば~」のとこではちょっと笑い、鱸丸や時子さんのとこでは潤み。頼盛に対しては宗子さんの遺言を彷彿とさせ、頼盛が一門を袂を分かつことを察していたかのような言葉でした。
それにしても、凄い勢いで後ろに倒れた清盛の臨終、呆気ないというのか、圧巻というのか。額にかけた水が蒸発するのも少々笑ってしまうシーンでした。

清盛亡き後の一門の末路は頼朝のナレで語られました。
お前が滅ぼしたんだろ、と微妙な気持ちになりますが、時忠の「しぶとく生き残った」には若干の悪意を感じるのは気のせいでしょうか。
安徳帝を抱えた時子さんの最期は美しかった。沈まずに泳ぎ回って捕まったという宗盛、お前って奴は…。
知盛の「見るべき程の事は見つ」。有名な言葉ですけど、知盛が目立ってきたのがここ数話とあってちょっと唐突な感じになってました。

その後の義経・弁慶の最期。弁慶の額の矢が奥州でのやり取りを彷彿とさせますね。
頼朝この野郎って言いたい。まぁ義経にも問題があったんだろうなぁ。しかしこれだけのやり取りだと判官贔屓にもなる。
頼朝の最期も自分でちらっとふれてましたが、確か馬から落ちて死んだんじゃなかったっけ?真の武士か…

国と国との交易が、鎌倉が滅んでから始まるっていうのは皮肉なもんですね。生き生きとした小兎丸らは念願を果たせてなによりでした。

ところで、壇ノ浦で入水の際に時子が抱えていた“草薙の剣”。海中で布が解かれ、露わになったのは…宋剣?最後に清盛が抜いたのは宋剣ですよね。
草薙の剣が描かれなかったのはあえて狙っていたんでしょうか。

兎丸の声に呼ばれ、振り返った清盛の前に広がる『海の都』。

「海の中にも都はある」

みんなが笑顔で勢揃いしていました。基盛はぶられてたけど。どこまでが含まれるのか難しいところですね。

ともあれ、剣を持った高平太の満面の笑みでおしまい。


一年間見守ってきた、平清盛の物語も終わってしまいました。
正直、最初に清盛だと聞いたときには面白いのかよ?と思ったものですが、見続けてきて良かった。
取っ付きにくい時代の話だけど、twitterでの実況などの企画もあり楽しんで観ることが出来ました。
しばらく清盛の余韻が続きそうです。