誰にも読まれていないのに、私はすでに恐れている。誰かが怒り、攻撃をしてくるんじゃないかと。
 以前だったらそんなことはなかった。たとえば東京という大きな町の中にいれば、私は誰にも知られることもなかったし、だれかの攻撃の対象となることもなかった。それが都市にすむことのよいことだった。
 でも、今は恐れている。だれが何を考えているか分からない、理解し合えない人が多くを占めるのではないかという不安。いつ、誰が私の言動に目をつけ、文句をつけてくるのではないかという怯え。 
 ネット上のニュース、コメント欄には私とは違う感覚をもつ人たちがほとんどだ。会ったとしても、おそらく理解し合えないだろうという気がする。
 少なくとも以前は、分かりあえない人は存在するけど、それは一部の人たちではないかと思っていた。だいたいの人はそれなりにコミュニケーションをとれば理解し合えなくとも、まあ、お互いの立ち位置は理解し、それなりの関係は結べると思っていたのだ。でも、今はどうだろう。そもそもコミュニケーションさえ成り立たないような気がする。
 たぶん、私はマイノリティになったのだ。もしくは、怯える羊になったのだ。