入院3日目、まだ検査が続いているため
呼ばれる以外は部屋に放置
退屈ではあるものの 頭の中は案外休まらず
ここのフロアーは半分が婦人科、
もう半分は産科病棟になっていて
横に新生児室もある
昨日の夜中も赤ちゃんが生まれたらしく
廊下をバタバタ走る音
産科は基本病気ではないので
何もかも明るい
赤ちゃんの声は聞こえないが
携わる全員が新たな命に
心洗われ 心弾む
かたや婦人科は
深刻な病気も多く
抗がん剤で髪を失い
顔色悪く点滴をしながら
歩いている人が多い
病室がやたらと暑いので
デイルームと言われる談話室で過ごす事が多い
そこにいると嫌でもたくさんの
入院患者とその家族を
見ることになる
手術が終わるのを神妙な顔で待つ家族
検査結果を待つ家族
見舞客と談笑する患者
そのほとんどが不安そうな顔で
目が合うと 話しかけられる事が多い
私は気楽そうに見えるせいか
「どこがお悪いんですか?」
などと話しかけられる
どうも自分や自分の家族と同じ病気
だったりするとぐっと親近感が
湧くのと同時に
同じ病の経験者なら情報が欲しいのだ
リアルな情報が
痛かったですか?
その時どういう気持ちでしたか?
どうしてもらったら嬉しかったですか?
どのくらいで楽になりましたか?
先生は誰ですか?
いい先生ですか?
全てが安心材料が欲しい、
病気についてもっと知りたい
家族を励ましたい
そう言う気持ちの塊。
友達や家族が重い病を患った時
誰もが自分の無力さを感じ
何もできない歯痒さに失望する
できることと言えば
祈る事
そして相手の気持ちを想像し
辛さを分かろうと模索し
それが本人の本当の気持ちと違っても
それが方向違いの思いであっても
そこに愛があれば
全て正解。
明日はきっと今日より楽しい