歌うケツだけ爆弾 | ぷりぷり! レモン日記

歌うケツだけ爆弾

※注・今日の日記には映画に関するネタバレが多数あります。






































昨日は映画を二本見てきたわけですが、そのうち、最初に見たのがタイトルにあるクレヨンシンちゃんの最新作「嵐を呼ぶ! 歌うケツだけ爆弾」でした。



その前に、すでにハイグレ、ブリブリ、雲黒斎、ヘンダーと本郷みつる監督がメガフォンを取った初期の四作を見ていたのですが、失敗しました。



この四作がどれもすばらしい出来なもので、ケツだけ爆弾の駄作っぷりが目に付きすぎてあまり楽しめませんでした。



まあ、それでも確かに、しんのすけが桜並木を走るシーンや、これはオトナ帝国のヒロシの回想の二番煎じみたいな感じがして仕方がなかったのですがシロがしんのすけとの楽しい日々を回想するシーンなどところどころ光るものはありました。

ムトウ監督は、おととしの3分ポッキリでも、最後の敵を前にしんのすけがだらしない両親に向かって叫ぶシーンのように一発ズドンとくるシーンを作るのは確かにうまいです。



が、残念かな本郷監督の作品の場合、ところどころではなく最初っから最後まで終始光りっぱなしな名作揃いなので、やはりそれらに比べると質が落ちて見えてしまいます。いや見えてというか実際落ちてるんですけど。3分ポッキリにしても確かに先に述べたシーンは好きですがそれ以前、前半はとにかく戦闘戦闘戦闘の繰り返しで飽きがきてしまいますし。



なにがいけないのかと考えてみたのですが、やはりあれでしょうか。

オトナ帝国を意識しているのか、無理に感動系に仕上げようとしているのがどうにもあざとく感じられてしまいます。

特に最後のヒロシとみさえの号泣なんかやりすぎですぜ。



たとえば第一作のハイグレなんかは、オトナ帝国とかと比べて感動という点では確かにはるかに劣りますが、子供のピンチにヒーローが駆けつけ、最後はそのヒーローとともに子供が必殺光線で悪い怪人をやっつけると、文字で書くとありきたりといえばこれ以上にないありきたりな話ですが実際に映像で見ると、たぶん子供が見れば大喜びで、大人が見ても「ああ、いいなぁ」としみじみほのぼのとするそんなほんのりと心が温かくなるような物語です。

どうも、大人以降はそういう作品がないような気がしてしょうがありません。去年のアミーゴはいろいろあって見てませんが。

たとえるなら、ルパンでカリオストロが受けたからといってその後TVスペシャルなんかでも二匹目のドジョウを狙ったようなできそこないカリオストロみたいな作品が多くなったのと同じようなものです。



さらに言うと、今作はどうも悪役に魅力があまり感じられません。


時雨院時常は最後のほうで完ぺき主義者な頑固野郎になってますがどうも、出てる時間自体は多いのにそれに関する描写が足りなくて唐突に感じてしまいますしお駒夫人も爆弾持って世界征服みたいなこと言ってますがいまいちキャラが薄く感じられてしまうのはなぜでしょう。配下の赤黄緑の三人おっぱいもただ乳ぶるんぶるん震わせてケツをぷりんぷりん振ってるだけみたいな印象に終わってしまいましたし。自分の中では。

たとえば雲黒斎のヒエール・ジョコマンやヘンダーのマカオとジョマは今作の悪役達と比べて出演時間は大幅に少ないのに今作の連中と比べて強く印象に残ったのはなぜでしょう。時間はみじかけれどその少ない時間の中でこぼれ落ちそうなほど十分すぎる描写をしっかりやっていたからでしょうか。

たぶん今作の悪役たちは無駄に数を多くしたせいで個々の特徴をうまく描ききれなかったのでしょう。

ハイグレの場合、Tバック男爵なんか、その奇抜なネーミングと北春日部博士の「冷酷非情なホモなんじゃ」の一言と郷里大輔氏の濃密ヴォイスだけで脳裏にキャラクターが叩きつけられてしまいましたよ。

今作の場合、ただ長々と画面に出てきているだけで、Tバック男爵のように強烈に訴えかけるものがぜんぜんないのがいけません。しかもAKBなんちゃらとかいう素人集団を声優に起用しているせいで声も駄目な意味で汚くて聞くに堪えませんし。



もう本当、子供をなめるなと言いたいですね。

子供は正直ですよ。



オトナ帝国のときなんか、しんのすけがエレヴェータに乗って上がっていくケンを追いかけるために必死になって階段を駆け上がっていくシーンで子供達は立ち上がってしんちゃんがんばれと応援していました。

ヤキニクロードでは、ところどころにはさまれたギャグで子供達は素直にきゃっきゃと爆笑していました。

聞いた話によると、アミーゴは序盤がかなりのホラー展開で子供達は泣き喚いていたそうじゃあないですか。



が、今作の場合、そういった現れるべき子供の反応というのがまったくありませんでした。

聞こえてきたものといったら、後ろの席に座っていたらしいバカップルが小声でくすくすと笑いながらごにょごにょとなにやら話していたそれくらいですよ。



大人だって昔は子供だったのですから、ハイグレのように純粋にちゃんとした子供映画を作っていれば、メインターゲットの子供達はもちろんのこと、大人の中に残る子供だったころの心にも響いて、大人も子供と一緒に楽しめる映画になるはずなんですけどね。たとえばジャングルの、パラダイスキング相手に劣勢を強いられるアクション仮面を応援するしんのすけたちとそれに呼応して吠えて強くなってパラダイスキングを逆に圧倒するアクション仮面の図とか。なんで原監督はクレしん映画を去ってしまったのでしょう(´;ω;`)ウッ






そういえば、今作ではオカマもいませんでした。

ハイグレではボスであるハイグレ魔王が、ブリブリでは最後に仲間になるニーナとサリー、雲黒斎では吹雪丸の妹(?)雪乃が、ヘンダーではやっぱりボスのマカオとジョマ、暗黒タマタマでもローズにラベンダーにレモンといった感じで毎回オカマが出ていたのですが、クレしん映画はいつからオカマを出さなくなったのでしょう。

まさかとは思うのですがPTAが「オカマなんて子供に悪影響ザーマスわそんなの見せるなんて頭どーかしてらっしゃるんじゃゴザーマせんこと!?」とか苦情でも言ったのでしょうか。

もしそうだとしたらPTAは頭どうかしちゃってるとしか言えませんね。そもそもオカマに対して失礼ですし、クレしん映画では基本的にオカマはやさしくていい人なのに。ハイグレとマカオとジョマはボスだからいい人といえるかどうか微妙ですがハイグレは負けたら潔く去っていきましたしジョマはトランプ対決の際ケンカするヒロシとみさえを見てやめなさいよ子供の前でとたしなめてますし。



たぶん来年もムトウ監督だと思われますが、ぜひとも味のあるオカマを出してほしいものです。