⭐︎こんにちは、中学教員レモラズです。身バレ防止のため、一部、フィクションを交えています。こんな学校もあるのねぇと気軽に読んでください。⭐︎
だいぶ前の出来事。
3組の書道の時間が終わり、書道室で片付けをしていました。
そこに次の授業の2組がやってきました。
片付けをしていた3組のマルコちゃんに、
2組のタマちゃんが話しかけました。
タマ「マルコちゃん、筆貸してくれない?今日持ってくるの忘れちゃって。」
マルコ「いいよ。ハイ。」
筆を投げて貸したマルコ。
筆は床に落ちました。
拾って机の上に置いたタマちゃん。
そして、タマは、班員の子から紙を受け取り、授業の準備を始めました。
マルコも書道室を後にしました。
その数分後。
タマ「(借りたはずの)筆がない!!!
」
大騒ぎ。
その場で
2組の全員の持ち物を確認し、
もしかして、と
3組の書道バッグの中も確認しても、
出てこない。
そもそも、マルコが使った後の筆だから、制服のポケットとかそんなところに入れるわけもなく。
名前が書いてあるし、紛れていたらわかるわけで。
新聞や古紙に巻き込んで捨てたのか?
とか
落とし物だと思ってどこかに入れたのか?
とか
ゴミ箱やどこかに紛れてはいないか?
とか。
考えられる可能性は全て探し、
念のため、
もう一度、子供たちに
「困っている人がいるから、出てきたら、教えて」
と、言ったのですが、
そこから見つかることはありませんでした。
その日、マルコちゃんの保護者に連絡しました。
穏やかなお父さんで、
「あーもう、いいですよ、新しいの買いますし。」
タマちゃんの保護者に連絡すると、
「あ、すみません。弁償します。」
でも、まだ、どこかに紛れていて、見つかる可能性もあるので、1週間待って出てこなかったら、買いますね、という話になりました。
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その後、小学校で同じクラスで連絡先も知っているということで、
マルコちゃんパパが
「先生、弁償はいいですわ。もう、こっちでタマちゃんママに連絡しますんで、大丈夫です!」
とおっしゃったので、
お任せすることにしました。
1週間たっても筆は見つからず。
マルコちゃんパパから学校に電話が来ました。
「実は…ボクは、もう弁償は結構ですと、タマちゃんのママに言ったんですが、娘(マルコ)がそれに納得しなくて…筆がなかったら困る!!!と、頑固でして…娘を説得してもらえないでしょうか?」
説得というのは無理ですけど、
マルコちゃんに話をすることはできます。
と言って、話をすると、
マルコちゃん
「あのあと、謝ってもらってもない。だから、絶対弁償してほしい。謝ってくれたら、(弁償について)考える」
マルコちゃんのパパに伝えると、
タマちゃんにそのことを伝えて、
タマ→マルコに「無くしてごめんなさい」と謝ってもらえないか、という話。
謝ることは一旦置いて、
タマちゃんに話を聞くと、
「無くしたのは私ではない。机に置いておいたのに、なくなっていた。」
そして、お互い譲らず。
親も譲らず。
「謝って弁償してほしい」
「別に無くしたわけじゃないから、うちの娘のせいではない」
の繰り返し。
そもそも、そういうトラブルがないように、物の貸し借りはNGになっている我が校。
このことを解決するのに要したのは
3週間
自分たちで解決するといって
学校を遠ざけたのに、
今度は学校が間に入らないとお互いに喋らなくなり、
放っておくと「学校は何もしてくれないのか」と文句を言うのですよ。
最後は
事前に指導したにも関わらず
タマちゃんが「悪かったわね!!ごめんなさい!!
💢」
と不貞腐れながらあやまり、
筆を返して終了。
その後、
もちろんタマちゃんの態度の悪さは指導をしたけれど、
それでも納得いかないらしく
「筆を弁償しろなんて、本当ビンボー人だよね」
と捨て台詞を吐いて帰って行きました。
一方マルコの親は、タマちゃんの親とLINEをする中で、「学校は私たちの味方」と言いまくっていまして、それを聞いたマルコのお母さんと、これまた面倒くさいことに。
マルコ側から言われたことをタマ父に伝え、
タマ父もマルコ側に言いたいことを学校に伝えるように頼まれ、
時々「先生たちは無能」などという毒矢のような言葉を投げかけ、
3週間の時を経て、
やっと終息宣言となりました。
たった筆1本のために、
こじれにこじれたこの話。
でも、今でも見つかってないんですよ、筆。