クラスで仕切り役をしたことで、
自分の思い通りにならない相手たちに腹を立て、
暴言暴力を始めてしまったシンジ。
シンジ母は、自分の子が悪いのも認めつつ、
「でも、話し合いに参加しない子達は、責められないの?うちの子だけ怒られるの、おかしくない?」と思い、学校にやって来ました。
ぶつかること、悩むこと、うまくいかないことはあるのだけど、そのうまくいかないストレスを暴言や暴力で発散しようとする行動が良くない、と丁寧に伝えて、なんとか母も理解してくれたようでした。
お母さんもね、
激高型の方なんです。
話し合いと言いながら、言葉で子供を言い負かしてきたようです。
そうやって力で支配してきたため、シンジもそういうところがあります。
上の子たちは、優等生で、トラブルも全くなかったようなのですが、
一番末っ子のシンジだけは、
ちょっと特性が強く、
キレやすい。
それでも、小学校に比べれば、
本当に成長したし、とってもかわいらしくなった。
「小学校の時からトラブルばかりで、『またか!!!』って、なるの。だから、こういうトラブルが起きるたびに、めちゃくちゃ怒るんだけど、もういい加減に疲れてきて…」とお母さん。
「そうなりますよね、何度も同じことをしてたら。でも、お母さん、数が減ったと思いませんか?」と私。
「……そういえば、そうかも。」
「成長してる証拠ですよ。そして、もう、怒鳴るしつけは、終わる頃です。
このまま怒鳴ってたら、シンジの中には、『うまく行ってたと思ったけど、やっぱオレはダメなやつなんだ』とネガティブな感情しか残らない。
『減ってた失敗なのに、またやったのは良くなかった。どうすれば防げたんだろう?』って考えさせる方法にすると、たぶんシンジはまた学んでいきますよ。」
「え、もう怒鳴る時期じゃないの?」と驚くお母さん。
「なんでも怒鳴ると、怒られた中身は後回しになってしまうんですよ。小さい時はその力でねじ伏せる方法でうまく回るように見えますが、大きくなってきたら、一緒に解決方法を考えたほうが、うまくいくことが多いですよ。実際、シンジは、私たちとそういう解決策を考えられるようになってきてますし。」
「そうかぁ…でも先生、先生たちはこういう時、いつも、シンジは成長した、頑張ってるって良いことしか言ってくれないけど、やっぱりトラブルはなくならないよ?いつになったらなくなるんだろう?」
「いやいやいやいや!!!減っただけでもすごいでしょう!!あの、こんなこと言ったらナンですけど、シンジくんはお兄さんたちとは多分違いますよ。ものすごく手がかかる。その都度、大人がちゃんと手をかけないと、修正がきかないかもしれない。だから、学校は、ダメなことはダメだとちゃんと伝えるし、良かったら褒めるし、その繰り返しですよ。お母さんにも、こうやって協力していただけるので、助かってるんです。」
私自身も、息子がなかなかのトラブルメーカーだったので、お母さんの気持ちはよく分かります。
合わない先生にはとことん否定され、社会不適合者になるんじゃないかとか、お母さん目を覚まして、とか言われたり。
でも気がつけば、うちの息子も今ではとっても穏やかで、一丁前に妹の行動にあれこれ口を出すようになりました。
「あのね、お母さん、きっとあの子は、つまずいた分、色々分かるようになる。だから、カッと怒らないで、ゆっくり語ってあげてください。学校もやるけど、お母さんのがいちばん聞くと思う。」
「ありがとう、先生。なんか、元気出てきた。」
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いやー、伝わってよかった![]()
(また忘れるから、定期的に喋らないと)
でも、シンジのお母さんが学校にやって来たのは、20時過ぎ。
21時になった頃、
「おかあさん…そろそろ、シンジ、ご飯の時間じゃ?」
「あ、大丈夫大丈夫、塾いってるから」
21時半になった頃、
「お母さん、そろそろ塾のお迎えがあるんじゃ?」
「あ、大丈夫大丈夫、今日は10時15分まで塾だから」
違うんだよ、おかーさん!!
私たちも帰りたいんだよ!!![]()
2時間たっぷりしゃべって、帰って行きました。
一緒に入ってた担任の先生に
「やー、シンジ母のトークにかぶせる技、説得力、ほんとすごかった。そして、帰る時間を気にしてもらう技も、真似します、今度」と言われました。
担任の先生だと、多分言い負かされてしまってた気がするので、私を同席させたのは正解だね。
22時過ぎに、
お母さんを見送って職員室に戻ると、
副校長「はいお疲れー、急ぐ話じゃなさそうだったね。じゃ、帰って帰って」
私たち「せめて机の上を片付けたいんですけど」
副校長「今日はもう帰って。電気消すよ。」
言い方ってもんがあるでしょう!!
ほんとに腹立つなぁもう!!!![]()
