★こんにちは、中学教員のレモラズです。仕事での雑感をゆるーく書いていきます。身バレ防止のため、一部変えてありますので、そんな人もいるのねと思って読んでください。




ABと離れて、一人を選んだカズミ。



自分が一人になりたいと言い、ABもそれを受け入れた次の日。




Aの元気がありません。

学年トップクラスの子なのに、授業中もぼんやり。



Bが心配して「先生、Aの話を聞いてあげて。」と言うので、Aの話を聞くと。




昨日、話し合いが終わった夜、

カズミのLINEの名前のところに

「いつも私ばっかり!!!」と書いてあったそうです。



思い返せば、

「二人で幸せなんでしょ!!」と書いてみたり、

「友達なんていらない。どうせ裏切るもの。」と書いてみたり、



LINEで自分が仲間外れにされてるというアピールをしまくっていたカズミ。



それをみた周りの子達から

「え、カズミのことハズしてんの?」と聞かれたり、



カズミが、担任だけでなく、放課後私とも話をしてるのを目撃されていたりしたことで、



ABへのストレスはかなりのものだったそうで。

Bは気が強いので、腹は立つけど聞き流していたそうですが、Aはいろんなことを考えてしまったようです。




Aは「小学校から、ずっとずっとカズミのわがままに付き合って来た。カズミはすぐ怒るから、私が我慢して、喧嘩しないように、言いたいことも全部言わないで、優しく言うようにしてきた。でも、もうやだ!!!なんで私たちばっかり悪者になるの!えーん




もうしばらく話したくないということで、

私たちから指導することになりました。


……



放課後、カズミを呼び、質問をしても、無言。


こたえるのも、聞こえるか聞こえないかの声で、ひと言ふた言。



おまけに、「いつも自分ばっかり」というメッセージは、別のことで書いた、ABのことではない、と言うではないですか。



嘘つくな

いや、もう嘘つかなくていいよ。




「あのさぁ、話し合いをしたその夜に、『自分ばっかり』って書かれて、Aが読んだらどう思うよ?他の理由で書きましたって言うけど、そんなタイミングで書かなければならないくらい大事なことだったの?じゃあ、なんなのよ、その理由は?」



我が子へ怒るモードになってしまい。



「あのさ、そもそも、3人の中の話を、わざわざ関係ないみんなが見えるように書く必要、ある?

ましてや、昨日の話では、あなたが一方的に『一人になりたい』って言って終わったのよ?本当に大丈夫なのかって聞かれても、一人になりたいって言ったよね。それをあとから『自分ばっかり』って書かれて、それを周りの人からも色々言われて、Aや Bの気持ちはどうなるのよ?LINEなんてみんなが見るものなんだよ?」



ハッとしたようで

もう何も言えないカズミ。




…と、追い詰めたのですが、下校時間も迫っています。次は崩す番ですが、カズミは頑固なので、きっとしゃべりません。何より、そういう説明がとても苦手。




こちらが代弁します。



「…カズミ、本当は、三人で一緒がよかったんじゃないの?一人になりたいなんて嘘でしょ。」




一緒に入っていた若手の先生が、私の言葉にびっくりして顔を上げました。




「ほんとは、『一人になりたい』って言えば、優しいAが『そんなこと言わないで、また一緒に学校に行こうよ』って言ってくれると思ったんじゃない?」



小さくうなずくカズミ。



「あなた、本当はBじゃなくて、なんでも許してくれるAが、大好きなのよね。だからAを取っちゃうBも許せなかったし、Bと楽しそうにしてるAも許せなかった。だから、一人になる!って言ってみたんだよね。」




またうなずくカズミ。




「でも、Aは思った通りのことをいってくれなくて、本当に一人になっちゃった。だから、さみしくて、『私ばっかり』ってLINEに書いたんじゃないの?」




何度も小さくうなずくカズミ。

目に涙をためて。



「そっか。強がってしまって、後に引けなくなってしまったのね。…でも、LINEにそういうことを書きまくったら、あなたの大好きなAはあなたの気持ちを理解するどころか、困ってしまうよね。あなたがAだったら、仲直りしたいと思うかな?」



首を振るカズミ。



「素直になれないとか、自分のダメなところを認められないとか、それって、こうやって人生で損をするんだよ。大好きな友達も、離れていってしまう。ましてや、LINEでそういうことをしたら、周りを巻き込んで、一層深刻な話になってしまうのよ。今、そうなってる。」



下を向きながらも、

一生懸命話を聞いてくれるカズミ。




話はそれで終わるはずが。

保護者に連絡したら、またもや、すんなり終わらず…。