☆こんにちは、中学校教員レモラズです。身バレ防止のため、脚色を加えていることがあります。気楽に読んでくださいね。☆




「うちの子が先生に嫌なことを言われたので学校に行かないって言ってるんですけど」

というお母さんの連絡から不登校がはじまったカナコ。


机の中の整理ができなくて、忘れ物も多く、渡したお手紙を次々となくすので、担任の先生が
「片付けようよ、学校の机もだし、おうちの荷物も散らかってるだろうからちゃんと整理して、忘れ物がないようにしようよ」
ということを言ったら、


本人はそれが気に入らなかったらしく、
お母さんに「先生が、うちが汚いっていうんだよ!」と言いつけ、
お母さんまで「ウチが汚いって言うんですか!!!」とお怒りに。





それから数ヶ月間、
たった一つのその出来事から、「あの人きらい」と言われてもう接触が不可になった担任の代わりに私が対応してきました。



お母さんも本人も、電話をしても全然出てくれず、
毎日家庭訪問をしても居留守を使われ、
たまたまどうしても渡さなければならなかった返金を受け取ってもらうまで、2ヶ月以上、1回も出会えませんでした。








流れはどうあれ、
担任の言葉をきっかけに不登校が始まったので、
教育事務所は「何としてでも不登校を食い止めろ」
という指示を出してきて
校長が


「何としてでも家から引きずり出せ」的なことを言ってきました。



でもさぁ、カナコは
学校の勉強が嫌いなんだよ。
漢字が読めないし、書けないんだよ。
九九も危ないんだよ。
字を書くのも苦手なんだよ。
運動も苦手なんだよ。


中学校の勉強なんてちんぷんかんぷん。


おまけに、小さい時に同居してた大人(叔父と叔母)から虐待を受けていて、
妹弟も4人いて、

人間不信に愛情不足。


さらに


思春期に入ってきて他者の目が気になる。
(自分ができないことがたくさんある)



不登校にならないわけがない。



今の私たちができることは、


・カナコが少しでも信じられる大人を作れること
・カナコが社会に出て、学力も含めて、働くことができる力をつけること



後者は、もはや普通学級では難しいので、
特別支援学級を勧めてみようかという話になりました。
支援学級ならば、ゆっくり、カナコに合わせて勉強を見てあげられる。



でも、
小学校の時、特別支援学級を勧められた時、
カナコは
「あんな子たちとは違う。私は普通だもん!先生たちは私をそんなバカだと思ってるんですか!」と突っぱねたそうです。


特別支援学級に対する偏見が、自分を苦しめる結果になってしまっている…。



もし、今回、カナコに支援学級を勧めた時、
その時と同じ反応だったら、
また不登校が続くどころか、

「また先生たちは私にあんなバカな子たちが来るところを勧めてくるのか!!先生たちは、私をそういう子だと思ってるの?」などと怒ってしまい、



もう、話なんてできないかもしれない。
関係が切れないように、ゆっくり丁寧にやってきたことが、プッツリ途切れてしまうかもしれない。



でも、このまま不登校を続けたところで、
何の力もつけられない。
どう動くか、何度も話し合いをしました。


続く