☆こんにちは、中学校教員レモラズです。身バレ防止のため、脚色を加えていることがあります。気楽に読んでくださいね。☆




今日は、以前に担任をしていたフワ子ちゃんの入学した当時のお話。


フワ子は、天然ボケのキャラクターで、ほんとうに可愛らしい子でした。


でも、そのボケっぷりがすごかった。


ある時、学校で心のアンケートのようなものがあり、
「あなたは〜〜と思いますか?」という問いがいくつかならんでおり、
「はい」か「いいえ」に〇をするようになっていました。



フワ子ちゃんはすべての問いに
「うん」と書いたのでした。



私「『はい』か『いいえ』に〇するって知ってた?」
フワ子「え、そうなの?どこに?」



当時、学年200人以上いて、この形式がわからなかったのはフワ子だけ。


他にも、帰りに廊下で会って「さようなら」と声をかけても、「ばいばーい」と返ってくるし、敬語なんて全く使えないフワ子でした。




そんなフワ子は、なんでもあっけらかんと口にする子でもありました。



「私、メガネの人ってキラーイ」
「そのカバンかわいいねー、私の趣味じゃないけどー」



フワ子と付き合いの長い子たちは、フワ子ワールドに慣れているのですが、中学から一緒になった子は、
「なんなのこの子…」と接し方に困っていました。



ところがそのあっけらかんが裏目に出て、何回かトラブルになりました。


「相手の気持ちを考えて、言葉にする」
「言っていいかな、と考えて言葉にする」
「思ったからといってなんでも言って良いわけではない」

と指導しました。





ある日、トラブルの指導のため、放課後に残していると、彼女のお母さんから連絡が来ました。


「眼科の予約をしてるんです!校門のところで待ってるのに、子供が出てきません。もう時間なのに。」






フワ子は、「今日は、お母さんが迎えに来るの〜眼科なの〜。医者キラーイ。」とは言ってましたが、
早く帰らなければならないとは一言も言っていませんでしたし、のんびりと話をしていました。
連絡を受けた先生が慌てて教室にやってきて、アワアワし出すフワ子。






お母さんに怒られる、と思ったフワ子は、家でお母さんにこう言いました。


「私は、眼科にもう間に合わないから早くしてって言ったのに、先生が『そんなことはどうでもいいから座りなさい』って怒られたから、それ以上帰ると言えなかった」



お母さんは、引き留めた学校に怒鳴り込んできました。眼科の予約、やっと取ったんだそうです。
もちろん学校は、「眼科だとは聞いていたけれど、そんなにすぐだとは聞いておらず、お母さんがお迎えにいらっしゃっていることも分かっていませんでした。申し訳ありませんでした。」と、予約に間に合わなかったことにはすでに謝罪はしていました。


でも、「娘は、眼科だと言って急いでいたのに、無理やり引き止められたと言っている」から、学校と言ってることが違う、
そして、「急いでいるのに引き止めるなんてどういうことか」という話です。


お母さんは、本人も連れてきて、その時の話を確認していきましたが、やはり、本人は「急いでいるのに無理やり引き留められた」、学校側は「そんなに切羽詰まった雰囲気では聞いてなかったし、無理やり引き留めた事実はない」という事で平行線になりました。


お母さんは何やら感じ取った様子で、
「でもね先生、この子がこういう風に言葉足らずな子ってわかってるでしょう?『本当に、急いでないのか?』と聞いてくれる配慮があってもいいもんでしょう。プロの教師なんだから。



これは、多少の皮肉は入りつつも、「学校が言ってることが正しい(フワ子が嘘をついてる)かもしれない」というお母さんの心境の変化かな?と思いました。



そのお母さんの言葉を引き出せたので、
こちらも折れて「ごめんね、もっと聞いてあげたらよかったね」とフワ子に言ったところ…


「いいよー、許してあげるー照れ


ムキーむかっむかっ

もちろん、お母さんも何も言いません←これもなんかモヤモヤしたわ




この数週間後、お母さんから「今日こそ眼科なので、早めに帰らせてください」とご連絡をいただきました。


早めに教室を送り出したのに、
ちんたらちんたら歩くフワ子。


「だってぇ、眼科、嫌だもん。先生、今日は、おはなし(指導のことらしい)ないの?」




……ポーン




あんた、通院が嫌だからと先生たちを利用したね?
そして、怒られたくないからと、嘘ついたね?


バチあたれーーーっ!!ムキー