上野の東京国立博物館でただ今開催中の「対決 巨匠たちの日本美術展」に行ってきました。
ええ、3回目ですが何か?笑
ただ同じものを見に行ったわけではなく期間によって展示替えがあるので、今日は新たに展示された作品目当てで行きました。歴史の教科書に名を連ねる面子と国宝級の作品がごろごろ置いてあります。
本命は今やちょっと日本画が好きな人なら誰でも知っているであろう、ここ数年で一気に名を広めた伊藤若冲の「旭日鳳凰図」。
私は昔から若冲が大好きで初めて画集を衝動買いしてから早8年目になります。同じ学科の子たちがあまりのラブっぷりに引くくらい好きさ。
ただ私は世界史受験の影響か日本史(=日本美術史)が驚くほどだめで、詳しいのほんと若冲だけなんですよね・・・日本史やらなきゃやらなきゃと思ううち今に至ります。
一連の記事を見るとわかる方もいるかとも思いますが、私が好きなのは絵画、特に具象画、写実画、細密画です。
さて、鳳凰図。生で観るのは初でしたが。
(自前の画集から写メったものなので画質ひどいです。ゴメンナサイ)
いやあ美しかった・・・・!!!鼻血ふきそうになりました(なぜ)
もうね、画集だって綺麗に撮ってあるんだろうけど本物が一番綺麗だったやっぱ。至近距離でまじまじ見てもあそこまで印象が変わらない日本画って若冲だけだと思うなあ。私の知る限り。隙のない細密描写と、輪郭線を使わない色面での描き分けと、張りつめた空間の構成と、デフォルメと計算で構築されたデザイン性が堪らない。
これでこんな興奮してたら一番好きな「老松白凰図」見たらおかしくなっちゃうんじゃないかしら。
老松白凰図
自前の画集かr(略)
この白凰図は若冲の描く生き物の中で一番素晴らしいと思います。艶やかで華やかで力強い印象。この鳳凰、評論家によっては「色っぽい」という見方も良くされますが、(それは私も同意。目とかよく言えば陶酔的、悪く言えばヤラシイ。)実はこれ、オスだそうです。どこでそういう判断をくだされているのかわかりませんが、じきに調べたいと思います笑
このことが、若冲の「人付き合いが苦手で、また敬虔な仏教徒であり生涯妻をめとらなかった」という人生と関連付けられて「若冲の女嫌い、歪んだ性癖、男色への興味」の象徴だと分析して取り上げられることもあります。
本当かどうかはわかりませんがそれでもこの絵が強烈な印象を持たせる力があることは確かです。いつか生で観たいなあ。
また今回の若冲のVSのお相手は曽我蕭白。若冲が異端の中の奇想ならこちらは異端の中の狂気役ですね。
蕭白の絵も禍々しさに滲みでる幻想性と迫力はすごいです。蕭白も大好きです。同時代に生きた若冲と蕭白は直接交流があった証拠は残ってませんが、共通の知人はいたそうなので、交流はあったと思います。
日本美術史学者の辻惟雄 さんの講演を聴きに行った友達によると、蕭白の様式を真似て描いた若冲の絵があるんだそう。だから少なくともお互い意識はしていたんだということらしい。見てみたい。
若冲の絹本彩色画は細かいので一見写実的にももしかしたら見えるかもしれませんが、実はデフォルメしまくり理想化しまくりのどちらかといえばシュールレアリスム的ともいえる表現です。
作品の画面のどこを見てもピントがぶれてないんです。密度が均質化しすぎているのである意味「画面の中心」がありません。(いや、もちろん上の絵で何が主題かと言われればもちろん鳳凰しかあり得ないのですが・・・)
どこか機械的で、人間味に欠け、息苦しささえ覚えるのはそのためです。私はその徹底的に几帳面でぎりぎりな感じがどこか好きなんですが。
誤解のなきよう言っておくと、もちろん、水墨画その他の作品にはユーモラスだったり温かな作品もあります。
その凄さを推し量るべくな事柄は、彼が独学の画家だということです。
・・・と、若冲しか語ってませんが巨匠展で私が他に好きだったのは応挙と永徳ですね。
応挙の虎と永徳の水の表現は圧巻です。
東京国立博物館自体もすごく素敵な建物です。中で館がつながっているので建物散策をしても飽きません。晴れの日は庭園も綺麗です。
今日は出口に着いた時は傘の意味が皆無なほど土砂降り&雷のコラボでしたが。

