いろいろなことがあって、脳と身体がフリーズしてしまって、未来のことを考えるとかそういうことが難しくなっていた。


実家に帰って父と話した。

先に手紙を書いていたから、穏便に会話することができた。

この10年近く、気まずかった思いが溢れ出るように湧き出てきて、ふと一人になった瞬間に泣けてくるこの数日だった。

自分はずっとひとりで戦ってきたのか。そう思うと、自分はよく頑張ったと思えた。



何かが大きく変わったわけじゃない。現実は1ミリも変わってないが、自分の不安感はだいぶ減少したように思った。


ちらちら垣間見える、今後の不安や葛藤を今は横に置いて、「今はとりあえず実家にいて良いんだ。」という思いを大切にしている。


実家の車に乗っていると、中島みゆきの「糸」が流れた。この曲は人と人の繋がりを歌った曲で、必ずしもパートナーについてだけ歌った曲ではないと解釈している。


聴いていて涙は出てくるが、孤独を感じないよう感情を殺してきたこの年月に、哀れみと称賛のような複雑な感情が湧き出てきた。


そうだった。

感情は持つものではない。勝手に湧き出てくるものだった。


誰とでも、どんな形でも、糸が重なり合うところに小さな結び目ができて、それが小さな布を作る。

糸が重なり合うと、次に針を指す位置が見えてくるものだ。

ほんの僅かな手がかりを持って、もう一歩だけ踏み出していくことができる気がした。