全日本が終わりました。
今年はいろんなことが起こって、いつもにない全日本だった気がします。

まずは、コーチなしでシーズンを迎え、不調に苦しんできた昌磨くんが優勝したこと。
SPで久々にノーミス演技をして、公式練習でも好調な様子を伺っていたので、ひょっとしたらと思っていたけど、フリーを滑り終わった時点で、もう優勝はないかな、でも台乗りしてワールドには選出されるから良かったね、と思ってました。
フリー本番は体が動き過ぎてしまったのか、回り過ぎて堪えるようなジャンプが多くて、でも転倒しないで良かった。SP、フリーを通して転倒なしだったのも久々な気がする。

連戦の疲れからなのか、後に滑った羽生選手にもミスが多く出てしまい、結果として優勝が決まって、万全な状態で勝ちたかったかもしれないけど、ともかく優勝おめでとうって嬉しかったです。

どん底にいたフランス大会から救い出して、サポートしてくれたランビエールコーチに感謝です。

優勝と同じくらい嬉しかったのが、コーチが決まったこと。
そして、それがランビエールさんだったこと。
「自分達は感性が似ている」とランビエールさんが言ってくれたように、芸術家肌でちょっとエキセントリックなところもあるランビエールさんと昌磨くんは合うんじゃないかって思います。
これから表現面でもどんな風に進化していくのか楽しみです。
公式練習の様子の映像を見るとジャンプが軽くなっていて、やっぱりすぐそばにアドバイスしてくれる人がいるのはいいなぁと思いました。

全日本でシーズンベストを出せた要因を聞かれて「ちゃんとコーチが決まったところかな」と答えてました。

「改めてステファンコーチにスケートの楽しさだったり、いろんなことを気づかさせられました。樋口美穂子先生以外に、こんなにコーチに感謝する人が現れるなんて思ってもいませんでした」

時間はかかったけど、辛い道のりだったと思うけど、この人だと思える人に出会えて良かったです。


それから、本当は悔しい気持ちはあると思うけど、後輩の復活を喜んで讃えてくれた羽生さんにありがとうって思います。

「こんなもんじゃねぇぞ」って言っているように、次の四大陸、世界選手権では、ピークを合わせてくると思います。

平昌の後、有終の美を飾って引退することもできたけど、そうしなかった理由の一つが、病気や怪我で日本の試合にずっと出れなかったことが心残りだったのではと思いました。
怪我なくここまで来れて良かった、と「怪我なく」という言葉を、今年何度も耳にしました。

去年は実現しなかった高橋さん、羽生さん、昌磨くんの3人が揃う全日本が高橋さんのシングル引退の前に実現したこと、何か意義深く思えました。

MOIで高橋さんと羽生さんが手を取りあって周回している場面を目にしました。
選手同士はいがみ合っていないのに、一部の過激なファンのせいで、ここ何年もの間、ずっと共演出来ず、でもそんなことがこれをきっかけに変わってくれればいいなぁと思いました。


今年、昌磨くん以来、5年ぶりに男子でジュニアが台乗りしました。
今年のジュニアの試合を追っていて、鍵山くんは表彰台に乗るような予感がしてました。
ジュニアなのに、スケーティングもスピンも上手くオールラウンダーで、3A、4Tを身につけたら一気に頭角を現したところが、ジュニア時代最後の昌磨くんと重なる。

長らく羽生、宇野選手の後がいないと言われていたけど、ここにきて鍵山くん、佐藤くんと有望な選手が育って来て頼もしいです。
高橋さんシングル最後、3人のオリンピックメダリストが揃った大会でこういうことが起こったのも感慨深いです。

高橋さんは怪我をしてしまい、西日本大会への出場が叶わず、全日本ぶっつけ本番で、満足のいく演技はできなかっただろうけど、もう一度、競技に復帰してくれて、ありがとうと思いました。
その姿に勇気をもらった人もたくさんいると思います。
経験を重ねたスケーターとしての表現力は、高橋さんにしか出せないものだと思います。
それを短い間だったけど、競技の中で再び見られたことは幸せでした。


今回全日本では投げ込みが禁止でした。
花が投げ込まれてフラワーガールが集める光景がなくなったのは、実は最初ちょっと寂しいかなと思ったのですが、4日間試合を見ているうちに、禁止されて良かったなぁと思いました。

演技振り返りの映像が流れて、今回から導入されたアイスタッツの説明があって、前の選手の演技が終わってから次の選手がコールされるまでの間って結構長い。
その間十分ウォームアップに使えるのはいいことだと思う。
大量に投げ込まれたプレゼントの為にリンクインを足止めされて、ジャンプの軌道も確認できないまま演技を開始しなければいけない選手が出るよりずっといい。

複数の出場選手に意見を聞いたところ、「ちょっと寂しいけど、花束が多いとウオームアップしにくいので良かったと思う」「花束がない分、拍手と歓声がいつもより多く感じた」と賛成意見が多かったというネット記事を目にしました。

この選手の声が全てだと思います。

海外ではプーシャワーは歓迎されているのに日本はおかしいという意見している人がいるけど、世界中のスケート関係者から、日本の観客はどの選手にも暖かい声援と拍手をくれる、マナーが良い、世界一の観客だと称賛されていることはどう思うのだろう。

プーシャワーの起源は2014年の中国大会だけど、その観客に対してこういった称賛は聞かない。

今回の全日本選手権はテレビで観ていた限り、どの選手にも暖かい声援と拍手のある素晴らしい大会でした。
チケットの本人確認を徹底したのも良かったと思います。