Kさんと会った3日後、大学時代の友人とランチをした。


彼女は大手航空会社の国際線CA。フライトの合間の貴重な時間に私の婚外恋愛の相談に乗るという、彼女に何の良いことがあるのかサッパリ分からない時間を3時間ほど過ごした。




それで。Kさん、結局アプリはどうしたの?


やめてない。レアキャラとのコミュニケーションを通じて、自分の能力を向上させたいんだって。


え、何の話!笑


これ見てよ。




Kさんのプロフィール文が表示された画面を差し出した。友人が大きな目を細めて文章を追っている。




たしかにレアキャラ募集してるね…。私だったら、こんなつまらないプロフィールの男は避けるわ。


だから誰にも会ってないって。どう思う?


たとえ今後、レアキャラと浮気だか二股だかをされてもいいんじゃない。れもんだって選手くんがいるんだし、他人のことは言えなくない?


でも嫌なの。


そういう変に潔癖なところが、れもん夫と似てるよね。アプリをやめてとは言わなかったんだ?


他のアプリに逃げられるより、把握していられる方が楽だから。


私はKさんって良いと思う。これがもし、れもんの結婚相手なら反対するよ。だけど婚外にはピッタリの相手じゃん。社会的ステイタスがあって、優しくて、遊び上手なのに真面目な話もできて。




そんな話をしていたらタイムリーにKさんからLINEがきた。




わ!来週も会いたいって。


ほら、気にしてくれてるじゃん。


でもアプリをやめない人を相手に一喜一憂するのもバカバカしいなぁ。楽しければいいんだって心を麻痺させたら、その見返りにもっと強い刺激が欲しくなるんだよ。


うん、だいぶ頭浮かれて見えるよ。じゃあ、そろそろ行く!




とにかく、身の破滅には気をつけてね!と言い残して、友人は先にカフェを出た。




私はKさんにLINEを返してから、サイトの受信ボックスにサラッと目を通す。