Kさんに恋する自分が好きだ。頭の芯から納得して恋に落ちることのできる相手に出会えた幸せを噛み締める。


Kさんの言葉で愛情を計って一喜一憂したり、マッチングアプリで他の女の子に会っているんじゃないかと想像して嫉妬したり。


夫に生活を保証されている安泰な世界をキープしたままで、この世の終わり、みたいに悩んでみるのも楽しい。




なぜこんなにポジティブかというと…


9月はKさんと3回も会えた。ついに言った!の記事の後、距離が縮まった気がしている。Kさんの私に対する気持ちが増したというより、気を使っているのだろうけど、それでも良い。私が素直になって甘えて、Kさんも嬉しそうで、ちょっと良い流れ。




Kさんが、週末に雨の中でキャンプをしたり、他にも大変なことが色々あったと話をしている。




そういうときに怒ったりしないんだね。うちだったら、夫が怒って一人で帰っちゃう。




え、そうしたら子どもたちはどうするの?




夫は、自分に気に食わないことがあると私と子どもを置いて帰ったりする。




経営者として毎日仕事をして、自分はこんなにやっているのにという理不尽さに苛立つ気持ちを休日に発散しているのかもしれないよ。




それはKさんが思っていることでしょう。




そうだね。僕も。旦那さんとちゃんと話しをしてる?




ううん、言っても揉めるだけだから。




そこは、母としての芯の強さが必要かもしれないよ。今は40代で若いけど、これから50代、60代になったとき、結局一緒にいて助けてくれるのは…、最後は家族しかいないんだから。れもんが思う、あるべき家族の姿やこういう形がハッピーだっていうことをどこかでは伝えなきゃいけない。




Kさんが真剣に話して、私も真剣に聞いた。


最後は家族しかいないんだから、というフレーズが頭の中を巡る。


見なくていいように蓋をして押さえつけている現実が、ぶくぶくと湧き上がってきた。鼻の奥がジーンとして、あ、やばい、と思った。


泣かなくていいんだよ、というKさんの優しい声が聞こえる。








ベッドに転がって伸びをした。これだけで、日常から解放されてリラックスできる。


私に顔を寄せるKさんの頬を両手で包んで言った。




ここで問題です。今、私はどんなパンツを履いているでしょうか。1、普通のパンツ。2、パンツを履いていない。3、エッチなパンツ。




え?エッチなパンツなんか履かないでしょう?パンツを履いていない、だと思う。




ブブー。答えは3番。




え!どうしたの?どこで手に入れたの?




何度も聞かれたけど、そんなの教えてあげない。


エッチなパンツの効果は絶大で、先ほどの涙の湿っぽさはどこへやら。気がつくと身体は芯から溶けて痺れて、ベッドの上から一歩も動けない。








重い身体を引きずるように最寄駅の改札をくぐろうとしたところで、KさんからのLINEがあった。




笑顔にいつも心が満たされる、ありがとう。




私だって満たされたよ。心の中でアラートが点滅するくらい。心を重ねる瞬間が増えると、つい、相手が自分の人生の一部を引き受けてくれるような気がしてしまう。だけど交換できるのは、責任を伴わない愛情と言葉と思いやりだけ。




最後は家族しかいないんだから。




泣いちゃったりして、寄りかかるものなんてないのに。ただ、好きって気持ちを持ち寄って、お互いの心地良さを楽しんでいられれば良いのに。




気を抜くな、自分。