JR横須賀線で20代車掌が居眠り 「休日に休息が十分に取れなかった」 | カナロコ by 神奈川新聞

 

2025年7月19日、JR東日本横浜支社は2025年7月8日午前に、横浜~品川間を走行中の横須賀線の普通列車で、車掌が居眠りをしていたことを公表した。

 

横須賀線など首都圏の通勤路線の普通列車の車掌は、新幹線や特急列車の車掌と異なり、車内検札や巡回は原則として行わない。横須賀線にはグリーン車が連結されているが、グリーン車車内の検札と巡回はグリーンアテンダントの仕事であり、車掌は関与していない。そのため、車掌は駅でドアの開閉を終え、側方・後方確認が済んでしまえば、次の駅に着くまでの間暇を持て余すことになる。山手線や京浜東北線のように、すぐ次の駅に着いてしまう路線であれば居眠りをする暇などないが、車掌が居眠りをした横須賀線の横浜~品川は居眠りをするには十分なくらい駅間距離が長い。

 

居眠りをしたのがもし運転士であれば、標識の見落としによる速度超過によって自動的に急減速したり、停車駅を通過したりなど、運行に影響を及ぼしただろうが、案の定今回の車掌による居眠りでは、運行に支障は来さなかった。

自動放送装置も当たり前のように導入された今、普通列車の車掌なんてもはや不要である。

 

JR東日本のワンマン化への積極的な姿勢はそういう意味で評価できる。南武線のワンマン化は、運転士の負担が増したことで遅延が増えたようだが、常磐線各駅停車は運転士の負担を最小限に抑えた上でのワンマン化であり、特に遅延は発生していない。常磐線各駅停車の遅延の原因は相変わらず直通先の小田急と東京メトロである。JR東日本が今後、常磐線各駅停車と同じ方式でワンマン運転を拡大してくれれば、特に言うことはない。

 

私鉄各社並びに東京都交通局は、JR東日本よりも明らかにワンマン化に消極的である。東京メトロは何故か銀座線をワンマン化しないし、東急大井町線のワンマン化は2032年度、田園都市線はそれ以降であると思われる。東京都交通局は全駅へのホームドア設置が完了したのにもかかわらず、ワンマン運転拡大への動きが見られない。京成電鉄は2022年秋にワンマン運転を導入したが、ワンマン化したのは金町線・千葉線・千原線・東成田線の4路線の一部列車・一部時間帯にとどまっており、それ以降の動きは見られない。しかも京成金町線は、ワンマン運転を実施している時間帯に数本だけ謎のツーマン列車が存在していた(私は京成を2025年4月以降は利用していないが、今もあるのかな?)。京王電鉄は井の頭線でワンマン運転に向けた動きがあり、東武鉄道は北千住~北越谷の緩行線のワンマン化が決まっており、京急は大師線のワンマン化が決まっているほか、小田急グループでは箱根エリアのワンマン化が決まっている。西武はワンマン化に向けた動きはないが、駅の無人化が進んでいる。

 

私鉄各社なりにワンマン化に向けた動きは無くもないが、JR東日本が2030年までに山手線、京浜東北・根岸線、中央総武線各駅停車などのワンマン化を実施すると決めていることや、来年度から仙石線と横浜線でワンマン運転が始まることに比べれば、私鉄各社の動きはちっぽけに見えてしまう。