JR東、運賃値上げ秋にも申請 喜勢社長、料金体系の見直しも:東京新聞 TOKYO Web (tokyo-np.co.jp)

 

今年の秋に申請する見通しのため、すぐに利用者の負担が増えるわけではないが、JR東日本の運賃が値上げとなる可能性がある。私はJR東日本がいま運賃値上げに踏み切ることに違和感を覚える。他の鉄道会社が値上げに踏み切っても何とも思わない。その理由について述べる。

 

 

 廃止すべき赤字路線を完全に廃止したか?廃止したくないなら...

私がJR東日本の運賃値上げを許せない理由は、廃止すべき路線が未だ廃止となっていないということである。

先日、青森県内のJR津軽線の一部区間の廃止が事実上決定した。しかし、廃線にすべき区間は他にもまだまだある。それらの廃止を行うことなく、都市部の利用者の負担を増やすのは間違っているのではないだろうか。廃止が必要なほどの赤字路線を抱えていない私鉄が運賃値上げを表明したら、そりゃ頷くことしかできないが、JR東日本には無駄な鉄路がまだ残っている。それらを廃止して初めて私の首を縦に動かさせることができる。まあ、私が首を横に振ったところで何にも起こらないが(笑)。

 

だが、さすがの私でも赤字路線を無差別に廃止すべきだとは思わない。どんなに赤字でも、貨物列車の通り道となっている線路は残しておくべきだ。赤字路線にあえて投資をして、沿線で生産された農林水産物を消費地まで鉄道輸送できるようにするのであれば、運賃値上げに賛成したい。現状、存廃議論に発展している路線には貨物列車が走っていない。日本の食料自給率はだいぶ前から40%を下回っており、地方で農林水産物を生産して都市部にまで運ぶ手段が無くなったら、更なる悪化が懸念される。また、トラックのドライバー不足も深刻であるから、地方の鉄道路線を完全に切り捨ててしまうと、本当に農林水産物を消費地まで運べなくなってしまう。そういった意味で鉄道貨物は重要であり、貨物列車を通せるのであれば、どんなに赤字でも頑張って維持するべきである。ローカル線で貨物輸送ができるか検討してみるのも良いかもしれない。その姿勢がJR側から見られれば、運賃値上げに賛成である。

 

キハ100系・110系はJR東日本の赤字路線の顔ともいえる。

 

貨物列車の通り道である東北本線。廃止したら国民生活がほぼ成り立たなくなる。

 

関東一の赤字路線。貨物輸送ができなければ、廃線が末端区間のみでは済まない気がする。

 

 

 まだまだ省人化できる

JR東日本の運賃値上げを許したくない理由として、省人化が十分とはいえないという面もある。6両編成程度なら、すぐにワンマン運転を行うべきだし、1日の利用者数が2000人に満たないような駅は、無人化すべきである。また、みどりの窓口廃止に対して文句を言う人が多かったがために、JR東日本は廃止を中断している。そのせいかどうかは定かではないが、JR東日本は運賃値上げを検討し始めた。極力運賃値上げを行わないために、人的コストの削減をしてきたのに、それを否定されたら値上げになるのは当然だ。

 

私が知っている路線のうち、ワンマン運転を行うべき路線を挙げてみる。あの東急東横線もワンマン運転を行っていて、常磐線各駅停車も今秋からワンマン運転を行うため、極論を言ってしまえば特急と新幹線を除く全路線全区間だが、さすがにいきなりハードルが高すぎるので、地方路線を中心に紹介する。

 

JR東日本千葉支社管内のローカル線のうち、この209系が活躍している区間。内房線(千葉~上総湊)、外房線(千葉~大原)、成田線(千葉~成田~銚子)、総武本線(千葉~八街~銚子)、東金線。

 

房総地区でワンマン運転が可能な車両はこのE131系のみである。209系の車齢はそろそろ30年を超えてくるため、ワンマン対応改造よりはE131系の増備が望ましい。

 

高崎支社のローカル線のうち電化されている路線。両毛線、上越線、吾妻線、信越線(高崎~横川)。211系は延命されたが、ワンマン運転対応にはなっておらず、しばらくはツーマン運転となるだろう。

 

長野支社の列車のうち、211系の運用。高崎と同様に、211系は延命されているが、ワンマン運転対応とはなっていない。

 

長野支社の電化路線のワンマン列車は、E127系が担当している。

 

東北本線(仙台支社)と磐越西線は、2両編成のみがワンマン運転となっているが、利用者数を考慮すれば6両編成でも問題はない。

 

仙石線。今年中に後継車が登場すると予想しているが、現時点では発表されていないので、ここで紹介した。

 

 

 私が低輸送密度かつ貨物列車無しの路線の廃止を望んでいる理由

その答えは、二酸化炭素の排出だ。鉄道はエコな乗り物と言われるが、それは利用者の多い都市部での話。利用者が少ないのであれば、鉄道を維持する方が二酸化炭素の排出量が大きい。昨年の夏は物凄く暑かった。現状のまま二酸化炭素を出し続けたら、取り返しのつかないことになる。少しでも無駄な二酸化炭素の排出は減ってほしいと願っている。また、廃線ともなればその跡地は植物たちの生育場所となる。植物の遺体の中には、リグニンという分解されにくい成分があるため、土壌中に炭素を蓄えることができる。また、森林が育てば長期間大量の炭素を貯蔵できる。廃線跡に二酸化炭素を吸収させたいという思いがある。

 

 

 

 

 運賃値上げをするなら…

運賃値上げをするのであれば、利便性向上という形で利用者に対してリターンとすべきである。山手線は現在日中5分間隔で運転されている。混雑率はどうでも良いが、山手線の本数が少ないが故に、他路線からの接続が不便になっている。これを解消してほしい。また、値上げした分ホームドア設置のペースを上げてほしい。ホームドア設置は安全に省人化するためには絶対に必要だからである。