車掌、思い込みで非常停止せず | 千葉日報オンライン (chibanippo.co.jp)

 

この記事によると、黄色い線の外側にいた客を車掌は認知していたが、すぐに列車から離れると思い込み、非常停止させなかったそうだ。列車はそのまま発車したが、その客が再び列車に近づき、接触したあと転落してそのままお陀仏となったとのことだ。最近のマスコミは、マスゴミと呼ばれるだけあって、タイトルの付け方に何となく悪意を感じた。タイトルだけ見ると車掌だけが悪者扱いされているような感じがする。確かに車掌が列車をそのまま発車させたことに問題はあるが、私はそこにはJR東日本特有の事情があると考える。

 

JR東日本の運転士は、扉が閉まり切ったのを確認したあと、車掌からの合図無しで列車を発車させる。今回取り上げられた事故が起こった原因はそこにあるのではないか。他の鉄道会社は、戸閉後に車掌が運転士に合図を送ってから発車させる。もしJR東日本がこの方式を導入していたら、車掌は当該客が列車から十分に離れるまで決して発車合図を出さなかったと思われる。現在のJR東日本では、扉が問題なく閉まってしまえば、列車が勝手に動き出してしまう。接触事故を防ぐためには、動き出した瞬間に車掌弁を引く必要がある。せっかく車掌を乗務させるなら、発車合図は出させた方が良い。今後JR東日本は様々な路線をワンマン化すると思うが、ワンマン化するうえでホームドアの設置は必須であることがよくわかった。

 

ホームドアの重要性を改めて感じさせるような出来事であったが、武蔵野線および直通先の京葉線には1駅もホームドア設置駅がない。このような悲劇を今後も繰り返さないためにも、ホームドア設置のペースを上げる必要がある。半導体不足は多少は緩和された。残りは費用の問題であると思われるが、何しろJR東日本は不採算路線を数多く抱えており、せっかく都市部や新幹線で稼いだお金が消えてしまっている。都市部の路線はJR東日本の資金源であり、そこの安全性を高めないと会社の信用を失い、経営に響いてくるだろう。今後ますます人手不足が深刻化し、人々は都市部に集住するようになるのだから、いつまでも不採算路線を抱える意味などない。