まず、先に私がこの記事を通して言いたいことを述べてしまおう。新年度が始まり、ゴールデンウイークの行先を考え始めた人も多いことだろう。しかし、後述するようにJR東日本の新幹線では、ここ最近トラブルが相次いでおり、トラブルによって大切な休日を台無しにされる可能性も否定できない。そのため、ゴールデンウイークにはJR東日本の新幹線を利用しないことを推奨したい。

ユニバや京都への旅行で東海道新幹線をご利用予定の方、安心して頂きたい。ご存知かどうかわからないが、東海道新幹線はJR東海のテリトリーである。

 

冒頭でも述べたように、JR東日本ではここ最近トラブルが頻発している。できれば在来線も利用しないことを推奨したいが、さすがにそれだと私も含めた多くの人々の日常生活にまで影響が出てしまうため、標的は新幹線のみとする。では、具体的なトラブルを見ていこう。

 

 川越線、あわや正面衝突…

2023年の3月に発生したトラブルである。

システム欠陥で双方「青信号」と判明 JR川越線の上下線電車対面接近 別の保安装置「赤」で衝突回避:東京新聞 TOKYO Web (tokyo-np.co.jp)

川越線は大宮~日進を除き、全線単線(線路が1本)であるため、その1本の線路に上下列車が向かい合わないように、駅ですれ違うようダイヤが組まれている。にもかかわらず、単線区間に上下列車が向かい合う形となった。システムの欠陥で双方に青信号が表示されていたようだ。川越線の沿線人口は多く、埼京線が乗り入れてくる区間は複線化すべきという声があるが、実現する兆しはない。

 

川越線の大宮~川越は、埼京線と同じ車両である。路線名は変わるが、川越駅で完全に系統が分離されているため、実質埼京線である。

 

川越線の川越以西は実質八高線である。

 

 旅客列車が貨物線に誤進入、約30km先まで客を降ろせず…

 

続いて、昨年の5月に発生したトラブルを紹介しよう。

貨物線の線路に誤進入 約2000人の乗客を乗せた列車 JR東海道線 | NHK | 神奈川県

これは当該列車の運転士が、貨物線に向かう信号と旅客線に向かう信号を見誤ったことによって発生した。大船駅の手前で誤進入したため、武蔵小杉駅まで列車は乗客を降ろすことが出来なかった。この列車には横浜駅で下車予定だった方も少なからずいただろう。あってはならないトラブルであるが、それだけJR東日本の運転士は疲弊しているのである。人手不足であるなら、現在ある鉄路を今後も維持することなど言語道断である。低輸送密度路線のうち、貨物列車が走っていない路線は即廃止すべきである。ちなみに、赤字路線は新幹線の収益によって維持されているため、新幹線をボイコットすることが赤字路線の廃止促進となる。

 

東海道線には、通勤時間帯に貨物線を走行する特急列車も存在する。

 

 架線柱が倒壊し、列車に激突。原因は雨による鉄筋の腐食

これは、昨年の8月に発生した事故である。

JR東海道線電柱衝突事故 “電柱ひびから雨水入り鉄筋が腐食” | NHK | 鉄道

架線柱に入っていたひびに雨水が入り込み、中の鉄筋が腐食したことによるものだ。そもそも、JR東日本が架線柱にひびが入っていたことを把握出来ていなかったことが恐ろしい。JR東日本のドル箱路線は全て電化されているため、ドル箱すら守れないのかと突っ込みたくなってしまう。余談だが、この事故で一番印象に残っていることといったら、架線柱に激突した当該の編成がすぐに鉄オタによって特定・拡散されたことだ。彼らの情報収集力は凄まじい…。

 

 

 

 新幹線の架線が落下、列車と接触&作業員感電

今年に入ってから相次ぐ、JR東日本の新幹線のトラブルはここから始まった。

新幹線架線トラブル 部品破断し垂れ下がった架線に列車接触か | NHK | 鉄道

架線を支えている部品が破断し、架線が落下したうえに、走行中の列車と接触してしまった事故である。事故が起こった場所は、JR東日本のほぼ全ての新幹線が通行する場所であり、影響は広範囲に及んだ。

 

 

 

 横須賀線の地下トンネルの一部が崩落!

個人的に一番怖いトラブルがこれである。今年2回目の重大トラブルである。

JR横須賀線 複数のコンクリート片落下 約10時間運転見合わせ | NHK | 鉄道

トンネルの壁の一部が崩れたことによるものだが、本当にこれは怖い。笹子トンネルの崩落事故を思い出してしまった。しかもコンクリート片は複数あり、重量は合わせて113kgにのぼるという。113kg…俺2.5人分!

 

 

 

 制限速度65km/h超過の爆走新幹線

これもまた、怖い。今年3回目の重大トラブルである。

東北新幹線オーバーラン 制限速度を約65キロ超で走行が判明 | NHK | 鉄道

郡山駅に新幹線が停まり切れなかったトラブルである。雪の影響で、車輪が滑走してブレーキが利かなかったそうだ。当該の新幹線は。つばさ号単独であり、7両編成であった。編成が短いほど、編成中の全車輪のうち滑走を起こした車輪の割合が高くなる。その対策として、翌日には空っぽの新幹線が増結された。制限速度をオーバーした状態で分岐器(ポイント)を通過すると、レールが破断し、脱線する危険を秘めている。脱線しなかったのは不幸中の幸いである。

 

鉄道開業150周年記念ミックスジュース、山形新幹線ver。

 線路に石油を散布

これは本日発生したトラブルである。このブログを書く動機となった。

東北新幹線 福島駅で工事車両が故障 一時運転見合わせ 東北・秋田・山形新幹線 運休などで4万3500人に影響 | NHK | 鉄道

保線車両から燃料が漏れていることが確認されたとき、既に広範囲での作業が終えられており、白石蔵王駅と福島駅の間の線路に油が付着していたそうだ。今朝は東北地方で大きな地震があったが、全く関係の無いトラブルであった。天災ではなく人災である。

 

列車は鉄の車輪と鉄のレールの間の摩擦によって前進するが、場所によっては火花が発生することもある。燃料に火花を近づけると発火することは容易に想像できる。グラセフで、石油をこぼした場所にスタンガンを1発撃ち込むと発火するのと同じである。

 

 

 

ここまで、JR東日本が起こしたトラブルについて見てきた。たった1年でこんなにも重大なトラブルが頻発している。途中でも述べたが、JR東日本が他の鉄道会社と大きく異なるのは、収益性の悪い路線を多数抱えていることだろう。生産年齢人口の減少によって、鉄道業界も人手不足が深刻であるが、路線網は大きくは減少していない。そのため、現場への負担がこれまでにないほど重くなり、こういった重大なトラブルを発生させてしまったのではないだろうか。今後益々人手不足が深刻となる中、今ある鉄路を全て維持することなど不可能である。幸い、まだ死亡事故は起こっていない。死亡事故が起こる前に、利用者が極端に少ない路線を整理することが必須である。廃線に関する地元との協議は、毅然とした態度で臨んで頂きたい。