不祥事から始まった2024年の撮り鉄界隈

 

 

YouTubeを見ていたら幸か不幸か、撮り鉄の罵声に関する動画を見つけてしまった。

 

 

 

 

 

この3つの動画はいずれも今年の元日に秋葉原駅で撮影されたものだ。初日の出を見に行くための臨時列車をお目当てに多くの撮り鉄が集結した。多数の駅員がホーム上に配置されただけでなく、警察官の姿も確認できる。ホームには駅員の怒号、ニホントリテツの鳴き声、ホイッスルが響き、元日とは思えないほど険悪な雰囲気なのが映像から伝わってくる。

 

 

 不可能な終夜運転はするな!

 

 

撮り鉄が罵声大会を開催したことで警察沙汰になったのではなく、荒れることを見込んだ鉄道会社が予め警察を呼んでおいたと思われる。警察の目の前で罵声大会が開催されていたからである。今回は鉄道会社のこの対応に関して私の考えを述べる。

 

年末年始は普段よりも人出が増えることから、警察にとっては忙しいシーズンとなるだろう。そんな中、駅の中まで面倒を見なければならない警察の方々が気の毒である。

 

これはあくまで私の感想にすぎないが、撮り鉄や鉄道ファンというのは鉄道の理解者でなければならない。鉄道を愛しているのに警察沙汰になることなど言語道断である。鉄道会社と鉄道ファンがお互いを信頼し、お互いの価値を認め、共に良い時間を過ごすというのが私の理想の鉄道趣味のあり方である。しかし現実はそうではない。

 

冒頭に赤で強調したとおり、今回は鉄道会社が予め警察を呼んでおいたと考えられる。鉄道会社から、撮り鉄は脅威であり、自分たちの力だけでは対処できないとみなされたのである。終夜運転ともなれば珍しい光景を撮ろうとマニアが殺到することを予測できていたのだろう。これについてはやむを得ないが、そもそも駅員の力だけで対処できないのに無理して電車を走らせる必要などあっただろうか。終夜運転を行っている間は、当然ながら保線作業が犠牲となる。そして、駅員や警察官は、ニホントリテツのお世話という世界一無駄な仕事を強いられるのだ。

 

2023年度の年末年始は、首都圏のほとんどの会社・路線で終夜運転が実施されなかった。今回終夜運転を実施しなかった鉄道会社には今後も未来永劫終夜運転を行ってほしくはないし、終夜運転を行った結果ニホントリテツの暴走による被害を受けたJR東日本も、これを機に走らせないという英断を下して頂きたい。終夜運転の取りやめはほぼ間違いなく鉄道現場の労働環境の改善につながるだろう。

 

 

 行楽臨時列車は撮り鉄の餌食

今回の罵声大会の原因となった初日の出の臨時列車に限らず、行楽臨時列車は悪質な撮り鉄の餌である。ニホントリテツは餌のないところには寄ってこない。ニホントリテツの餌の中には、試運転・甲種輸送・廃車回送といった、鉄道事業において必要不可欠なものも存在する。しかし、行楽臨時列車はどう考えても不要である。このままニホントリテツを野放しにしていたら、駅構内が全面撮影禁止になってしまうことも十分にあり得るだろう。しかし、駅構内で撮影をするのは撮り鉄だけではない。特に東京駅では、旅行客が新幹線と記念撮影をしている光景が日常茶飯事である。そのため、撮影禁止にしてしまうと、鉄道会社にとってもデメリットがないわけではない。まずは行楽臨時列車を無くしてみてはどうだろうか。

 

行楽臨時列車で活躍した485系華。

 

線路の石を運ぶ車両(GV-E197系)。これが走るときにも撮り鉄が集結するが、線路の石(バラスト)も消耗品であるため、この車両を走らせないわけにはいかないのだ。

 

レールを運ぶ車両(キヤE195系)。レールが消耗品というのはバラストよりは容易に想像できるだろう。

 

今年の3月に定期運用から退く255系。一部編成は行楽臨時列車用として残ると思われる。JRとしては行楽臨時列車を廃止する気はないようだ。