はじめに

 

 

この問いの答えを知っている方がいたら、ぜひコメントで教えて頂きたい。この疑問はずっと前から抱いていたが、公にすることは無かった。しかし昨日、日比谷線を撮影していたときにふと思い出したのだ。ちょうど良いのでこの機会に公にしてしまおう。

 

私は半年前にアルバイトを辞めたが、バイト先には日比谷線と銀座線を乗り継いで行っていた。心療内科に通うようになった原因の一つがアルバイトなので、あまり思い出したくはないが。

 

私は、銀座線がワンマン化されないことがおかしいと思っている。では何故おかしいと思うのか、東京の色々な地下鉄路線と比べながら理由を説明していこう。

 

昨日撮影した日比谷線。

 

 

 

 

 東京の地下鉄でワンマン運転を行っている路線

東京の地下鉄路線は13路線ある。そのうち、東京メトロの路線は、銀座線・丸ノ内線・日比谷線・東西線・千代田線・有楽町線・半蔵門線・南北線・副都心線の9路線である。残りの4路線は都営地下鉄で、浅草線・三田線・新宿線・大江戸線である。

 

では、ワンマン運転を行っているのはどの路線なのか。答えは、東京メトロが丸ノ内線・千代田線の一部・有楽町線・南北線・副都心線の5路線(といっても千代田線はほとんどがツーマンなので実質4路線)で、都営地下鉄が三田線と大江戸線の2路線である。

 

千代田線でワンマン運転を行っているのは北綾瀬支線(正確には支線ではないが、支線のような運行形態なので便宜上支線と呼ぶ)のうち3両編成で運転されている列車のみである。千代田線を含めると、東京の地下鉄でワンマン運転を行っているのは7路線だが、ほぼ6路線となる。

 

千代田線唯一のワンマン電車

 

 銀座線は東京の地下鉄で一番小ぶり

 

銀座線と丸ノ内線に乗ったことのある方ならわかるだろう。両者は小さい車両で運転されている。また、銀座線・丸ノ内線は同じ6両でありながら、編成全体の長さが異なる。では、東京の地下鉄路線のおおよその編成長を見てみよう。

 

・銀座線 1両16m×6両=96m

・丸ノ内線 1両18m×6両=108m

・日比谷線(8両時代)と都営浅草線 1両18m×8両=144m

・日比谷線(現在) 1両20m×7両=140m

・東西線・千代田線・有楽町線・半蔵門線・副都心線の一部・都営新宿線 1両20m×10両=200m

・南北線・都営三田線 1両20m×両数(6両or8両)=120m or 160m

・都営大江戸 特殊(ホーム長は約137m)

 

ここからわかることは、銀座線は他のどの路線よりも編成長が短いのにも関わらず、ワンマン運転を行っていないのである。ワンマン運転は編成長が長いほど困難になる。理由は単純で、車掌がいなくなった分運転士が安全を確認するが、編成長が長いほど確認する場所が増えるため、運転士にとって負担となる。

だからこそ、有楽町線が銀座線よりも先にワンマン運転を開始したときには本当に驚いた。有楽町線の編成長は銀座線の倍以上あるからである。逆に編成長の短い銀座線が2024年に入った今もワンマン運転が開始される兆しがない理由が知りたくてたまらない。

 

常磐緩行線2024年度下半期にワンマン運転開始予定 – 4号車の5号車寄り (4gousya.net)

 

千代田線と直通する常磐線各駅停車が、2024年度下半期にワンマン運転が開始されることがわかった。これに伴い、千代田線もワンマン運転が開始されるか否かは現時点では不明だが、編成長が200mに達する路線でもワンマン運転を行う時代が本格的に始まろうとしている。そういった状況の中、銀座線はどうなるのだろうか。

 

 

 ほぼ同規模の丸ノ内線との比較

赤坂見附駅に行くと、銀座線がワンマン運転を行っていないことがより不思議に思える。赤坂見附駅は銀座線と丸ノ内線が同一ホームにある駅だ。銀座線よりも少しだけ長い丸ノ内線がワンマン運転を行っているのに何故だと思ってしまう。

 

銀座線がワンマン運転を行わないのは混雑しているせいなのだろうか。ここで、銀座線と丸ノ内線の主要駅を見てみよう。

 

銀座線は渋谷→表参道→赤坂見附→新橋→銀座→日本橋→神田→上野を経由し、浅草へと至る。

丸ノ内線は環状連絡路線である。池袋→後楽園→御茶ノ水→大手町→東京→銀座→赤坂見附→四ツ谷→新宿→中野坂上を経由し、荻窪へと至る。中野坂上駅から方南町支線が分岐している。

 

両者とも主要な駅を通っている。丸ノ内線は環状連絡路線であるため、銀座線よりも人の出入りが忙しいはずである。人の出入りが忙しい路線であるほど、乗降確認は煩雑になる。銀座線がワンマン運転を行わない理由は相変わらず見えてこない。

 

 

 私は車掌が苦手だ

ここまでワンマン運転に関して口うるさく要求する人は私以外にいるだろうか。私は撮り鉄だが、常に車掌に怯えながら撮影している。車掌は安全確認後、乗務員室の窓を閉めるのだが、ほとんどの車掌は後方確認後に閉めている。しかし、後方確認前に閉める車掌も一定数存在し、そういう車掌はだいたい私の立ち位置で窓を閉め終える。私の聴覚は敏感であるから、そのときの音もはっきりと聞こえ、恐怖を感じる。無論、鉄道の写真を撮ることは好きなのだが、電車が発車していくときはまさに地獄の時間である。今後怯えずに趣味を楽しみたいがために、ワンマン運転の拡大を願っているのだ。

 

 

 おわりに

少子高齢化や物価高で、鉄道会社の経営環境は厳しくなっているし、今後も厳しさを増していくだろう。そういった状況の中、如何にサービスの質を低下させないのかが、キーとなるだろう。ワンマン運転にするだけでも相当の経費を削減できる。また、銀座線は既にホームドアが全駅に設置されているから、ワンマン運転を行っても安全上問題はない。ワンマン運転は決して私の精神衛生面のためではなく、鉄道が今後も健全に生き延びていくために必要なのである。