たまごっちの話 -完- (´―｀)

「土日の夕方限定なんだけど、ハローマックの裏の空き地にたまごっちを売ってくれるおじさんがいるんだよ！そのおじさんから買ったんだ！」

と‥。


◎ハローマックとは‥



正式名称は「おもちゃのハローマック」で、1985年12月に第1号店、第2号店を同時開店した。 一時は全国で500店舗に迫る程の店舗数を誇る有名店となったが、2009年2月に本社が玩具販売事業から撤退することになり、ハローマックは日本から消えることになった。


恐らく俺と同じくらいの世代にはすごく馴染みのあるおもちゃ屋さん、当時俺の地元にも数店舗を展開する繁栄振りだった(´―｀)


特ダネを掴んだと俺は歓喜した、これでやっと念願のたまごっちが手に入ると‥

S君は「マジで極秘情報だから他の誰にも言うなよ！絶対に！」と俺に何度も念を押していたが、その声はもう俺の耳には届いていなかった


次の土日、俺は興奮しながら母にこの特ダネを伝えた、しばらくの沈黙の後で母はこう切り出した

「‥で、どこのハローマックなの？」

「あ‥それは聞くの忘れちゃった。」


自家用車に乗り込み俺と母は街中のハローマックを回った、いや‥正しく言うならば街中のハローマックの裏を見て回ったのだ

しかし、どこを探してもたまごっちのおじさんなんて居はしなかったんだ‥



その後、無事抽選に当たり無事にたまごっちを手にする事が出来た訳だけど、恐らくあの時母は俺が掴んだ特ダネが嘘っぱちである事に気付いていたんだろう

それでも息子が信じている友達を母が疑う事をしてはいけないと、たまごっちのおじさんが居ない事をわかっていつつもわざわざ付き合ってくれたのではないかなと思うんだ


お母さんありがとう、そしてS君の虚言馬鹿野郎‥(´―｀)


完