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みんなへ

みんなへ。

まずはこのように解散という形を選んでしまった事、みんなの居場所を失わせてしまうという事を申し訳なく思うと共に、自分自身もすごく残念だし悔しい気持ちでいっぱいです。

これを見てくれているみんなは「どうして?」という気持ちでしょう。

俺達は決して仲が悪くなったわけでもなく、誰かが怪我をしたわけでもなく、家庭の事情でもありません。

メンバーといる時間はすごく楽しいし、俺達の発信する音楽は本当に格好良くって誰にも負けないって気持ちを持ってバンドを続けてきました。

でも、それって単なる自己満足でしかないわけで。

ずっと音楽を続けるっていう事は、それを商売にしないと成り立ちません。

もちろんCDも売れず、ライブの動員も少ない中で活動を続けているバンドはジャンルを問わず沢山いるし、それが不可能ってわけじゃない。

でも俺達はそういう形の活動は選びませんでした。

この5人は夢を見る為に集まったわけじゃなく、夢を叶える為に集まった5人です。

沢山の夢を叶える為にバンド活動を始めた5人は沢山の現実という壁にぶち当たりました。

俺自身も上手くいかない現実に何度も心が折れたし、眠れない夜も沢山過ごしたし、悔しさでライブ後に泣きながら帰った事もありました。

そして、何度も何度もメンバーで話合いました。

もう俺達はダメなんじゃないか。

結果がついてこないんじゃ続けても意味がないんじゃないか。

試行錯誤して、もがいて、バンドの方向性も変えて

ずっと迷路に迷っていたような感覚の時もありました。

光が見えない闇の中を歩いているような感覚でした。

でも、そんな時にいつも思うのはファンのみんなの事で。

ライブをやっている時の笑っているみんなの顔。

手紙やメッセージをくれるみんなの声。

そんな闇や迷路の中から俺の手を引っ張ってくれるのはいつだってみんなだったよ。

本当に感謝してもしきれません。

みんながいてくれなかったらここまで活動して来られなかったし、夢も見られなかった。

普通に人生を過ごしているだけじゃ味わえない気持ちだったり、経験出来ないような事を沢山させてもらいました。

振り返れば20代という10年間、前のバンドの姫苺と今のthe LEMで活動してきたけど、そのどれもがみんなに支えられてきました。

俺が俺でいられたのは間違いなくみんながいてくれたからです。

この10年は俺が死ぬまでの一生のうちで本当にかけがえの無い大切な物です。

かけがえの無い大切な物だから、本気で集まった5人だからこそ、ここで終わりにしようという事になりました。

これを見てくれているみんなには本当に感謝しています。

一緒に大切な時間を過ごしてくれて本当にありがとう。

気にかけてくれてありがとう。

好きでいてくれてありがとう。

伝えきれないほどの感謝の気持ちでいっぱいです。

そして、そんなみんなと過ごせる大切な時間も8月17日までです。

俺達5人がバンドとして始動した思い出の渋谷CHELSEA HOTELで最後の日を迎えます。

その時までどうか、俺達の手を引っ張って下さい。

最後のわがままになりますがよろしくお願いします。



the LEM 潤