遠行雑記-342
さて、大変な悪天候となった壱岐の観光ではありましたが、正午を過ぎてどうやら晴れ間が見えるほどに回復して参りました。今回は壱岐対馬の旅ですので、壱岐だけではなくどうしても対馬まで足を延ばしておきたいのですが…、幸いにも頼みの船は欠航しないとの情報を得てホッと胸をなでおろしたのであります。なんたって今度いつ来られるかわからないのですからネ。
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ほぼ定刻に博多港からやって来たフェリー『きずな』が入港しました。『ダイヤモンドいき』よりも大きな船体で、全長94.10メートル、定員 678名、速力19ノットということです。
通常ならば乗船時間2時間ちょっとで対馬の『厳原(いずはら)港』に到着する予定ですが、通り過ぎた前線の影響で海上は時化ているとのこと、何とか無事に到着してほしいものですが…。
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壱岐島の『郷ノ浦港』を出発して約15分。少し船の揺れが大きくなってきました。海上なのでグーグルマップの現在位置が表示されるかどうか心配だったのですが、ちゃんと位置がわかりました。まだ全行程の10パーセントほどの進行です。
それから更に10分後、船の揺れがどんどん大きくなってきました。(見なきゃいいのに)窓のほうを見ると空と水平線と海面の波が交互に現れます。つまり、かなり大きなローリングということ。加えて時々ドーン!という大きな音とともに白波が船の後部に向かってはじき飛びます。つまり、相当なピッチングということ。船があまり得意ではないG爺はただただ耐えるしかありません。なにしろトイレに行きたくても立って歩けないほどの揺れですからね~…。
それから約1時間。座っている椅子のアームレストを握りしめ続ける手を少しだけ緩めることができました。どうやら時化の峠も過ぎたようです。G爺は肩は凝る足はこわばる手にびっしょりと汗をかくでもうぐったりです。もちろんこの間は何か撮るどころではありませんでした。
「こ、これもまぁ、旅の良い思い出じゃ~」
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港の待合所でしばらく体調を整え、いよいよ初めて訪れた対馬の観光です。
対馬は天気予報図などでは一つの細長い島のように描かれていますが、実際は瀬戸によって上島と下島に分かれています。二つの島は『万関橋(まんぜきばし)』という赤い橋で繋がっており、上島の南方にある『烏帽子岳展望所』からの眺望は実に美しいとのことで、すぐに行ってみることにしました。
厳原港から1時間ほどかけて曲がりくねった山道を登り続けて『烏帽子岳』にやって参りました。
実は写真のこの場所は展望所ではありません。烏帽子岳展望所はこの近くの階段を145段上ったところにあります。
「爺ィに145段は無理なんだよね。ま、このあたりからの眺めで納得しておこう」
最近は安全思考が身について参りました。
上島と下島の間にある『浅茅湾(あそうわん)』はリアス式海岸に囲まれた美しい湾です。
この眺望は対馬に来た思い出となると思います。
真珠の生産が盛んだそうですが…あそこに見えるのはアコヤガイの養殖でしょうか。
そろそろ日が暮れます。下りの山道も怖いので早めに宿に入ることにしましょう。
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夕食後、ほろ酔い気分で見知らぬ夜の街を歩いてみました。
川端柳がどこか郷愁をそそります。
「〽土手の柳はかーぜまかせ~…か」
ちょっとできあがっちゃってるかも…。
「おっと、ネコちゃん、こんばんは」
プイッ、とされました。
猫も相手を選ぶようじゃナ。(^_^;)
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