こんにちは(*^^)

今回は、私どもも数人のお客様とともに戦っている「乳がん」の最新治療についてです。

日米両国在住の日本人女性に、乳がんに関する最新情報、治療後の生活の取り組み、早期発見、啓蒙情報発信に取り組む非営利団体のBCネットワークが、がん新放射線治療「サヴィ」の普及を進めているのをご存じでしょうか。

低侵襲性で効率よく、しかも短期間で乳房温存しながらがんを処理できるという「
SAVI(サヴィ)」。関心のある方は一度以下の病院にお問い合わせしてみてください。今後の動向に注目です(*^^)v
あ! 昭和大学乳腺外科って、あの中村清吾教授がおられる病院です!!


内容を正確にお伝えしたいので、BCネットワークのWEBサイトより。

http://bcnetwork.org/pg1165.html

アニメーションでの説明がありました。
乳房にアプリケーターを刺すシーンから始まるので、
不快感をもよおす方は閲覧しないほうがいいかも(^_^;)
      ↓ ↓ ↓
http://youtu.be/Ad2sgUBndX4

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インタビューアー:山本眞基子(BCネットワーク代表)

BCネットワークでは,5年ほど前に米国にてサヴィ(Savi) という新しい乳がん放射線治療法が米国のFDA で承認された事を記事で読みました。そして,先日、日本でも新放射線療法として紹介され始めていると聞きました。そこで、サヴィを研究されてきた昭和大学乳腺外科の桑山先生にその放射線治療の事を詳しく伺う事にしました。

SAVIは米国でいつごろ承認されたのでしょうか?

2006年にFDAで承認されており、2006年11月に世界で最初に使用されています。

これまでの放射線治療とどう違いますか?

従来の放射線治療との違いは、
①全乳房照射ではなく、一定の部位にのみへの照射である点です。
②通常の照射より1回の照射線量が高く、1日2回の照射を行うことで、従来約5-6週間程度かかる期間を5日間に短縮できる点で異なります。

桑山先生はサヴィについて何年ほど研究されていますか?

約2年ほど研究をしています。

簡単に患者さんに理解できるようにサヴィについて教えてください。

体の中から直接放射線照射ができるように、器具(カテーテル)を一時的に埋め込んで行う放射線治療です。これにより乳房全体ではなく切除した部分のみに放射線を照射することができ、また、従来の治療と比較して非常に短い期間で治療が可能です。

SAVIは、ピンポイントでの放射線治療を行うということですが、どのようにして必要な個所に放射線を当てることができるのでしょう?

SAVIは放射線治療用の小線源を入れられる非常に細い数本のカテーテルで構成されています。挿入された部位のCTを撮影して各カテーテルから照射される放射線量をコンピュータで計算することで、必要な個所にピンポイントな照射が可能となっています。

サヴィ治療はすべての乳がん手術後の患者さんに有効ですか?

基本的には乳房温存療法が可能な患者さんに有効です。

乳がんの種類によってサヴィ治療に適さない場合もありますか?

乳房温存療法が可能であっても、高度のリンパ節転移やリンパ管侵襲など全乳房照射の方がより良い結果が期待できる患者さんには適しておりません。また病変が乳房の内側の端に近いなどの病変の位置や高度の糖尿病などを合併している患者さんも適しておりません。

乳がん患者さんの中でもっとも適した患者さんは?

病変の大きさが画像的に2cm以下であると考えられる患者さんが最も適しています。

サヴィ治療は放射線治療期間がかなり短く、わずか5日の治療とのことですが、治療中になんらかの副作用はありますか?これまでの放射線治療と比べた時の被曝量に違いはありますか?

治療中の特有な合併症としては重大なものはありませんが、挿入された器具による違和感を感じる方はいらっしゃいます。これまでの放射線治療と比較すると1回の放射線被ばく量はやや高いですが、特に問題のある線量ではありません。また、治療全体で受ける被ばく量は通常の治療と比較して低いです。

サヴィのパーツを胸に挿入することによる違和感はありますか?

治療中に器具(サヴィ)による多少違和感を感じられる方はおられますが、気にならない方もおられます。

これまでの放射線治療と比べてサヴィ治療を受けた場合の乳がんの再発率に変化はありますか?

まだ世界的にも新しい治療のため、長期の成績は報告されておりません。しかしながら,良い報告がされています。2013年に発表されたカリフォルニア大学サンディエゴ校放射線科のYashar先生の報告では2年の局所再発は約2.5%でした。

すでに昭和大学ではサヴィ治療を行われていますが、費用はどのくらいでしょうか?日本でサヴィを受ける場合、保険適用を受けられますか?保険適用でない場合はどのくらいかかりますか?

日本でも2013年6月13日に薬事承認を受けており、保険適用となっております。費用は放射線治療のうち小線源療法と同じで約14万円(保険診療3割負担で)となります。

サヴィ治療ができる医師は、どのようなトレーニングを受けた医師ですか?

実際にSAVI治療を行っている施設の見学や、ビデオなどを用いてトレーニングを受けた医師が行っております。現在、昭和では5名の医師がトレーニングを終了しています。

昭和大学でサヴィ治療を受けられた患者さんは何名くらいいらっしゃいますか?

2014年10月現在6名の方が治療を終了されました。

すでに昭和大学サヴィのアプリケーターによる放射線治療を受けた人達の感想はいかがですか?

放射線治療に伴う皮膚発赤などは感じません。器具による違和感を若干感じた方もいらっしゃいます。放射線治療中は入院による治療となりますが、特に治療による副作用は感じないため、患者は喜んでおられます。

他の医療機関で乳がん手術を地元で受け、その後SAVIで放射線治療を受けることはできますか? 昭和大学で外科的手術を受けない場合でもサヴィ治療だけを昭和大学でを受けられますか?

他の医療機関で手術で受け、SAVI治療を昭和大学で受けることは可能ですが、SAVI治療の器具が挿入可能であるかなどの条件を満たした場合では可能です。
他の医療機関で手術を受け、SAVI治療を当院で受けたいというご希望のある場合、当院で受け入れは可能ですが、手術時の病理検査結果が必要です。病理検査結果が出た時点での受診をお願いしております。基本的には、当院では現在、乳房温存手術から引き続きSAVIによる放射線治療を一連の入院で行っており、入院期間はすべて含めて16日間で治療を行っています。

現在、昭和大学でのみにおいて、サヴィでの放射線治療場が受けられない場合は、どのようにして、サヴィによる治療を全国的に普及させていかれるご計画でしょうか。

現在、昭和大学病院のほかに国立がん研究センター中央病院乳腺外科でも同様の治療を行っております。また、いくつかの施設でも治療を開始できるよう準備を進めている施設もあります。 より多くの病院施設での治療ができる事を推進していければ嬉しいと思います。

昭和大学がサヴィを導入した理由は?

乳房加速部分照射により放射線治療による合併症を軽減する事ができ,放射線の治療期間の短縮が可能となることで、患者さんに利益をもたらすことが可能と考えたためです。

桑山先生、インタビューありがとうございました。

サヴィという新しい乳がん放射線治療法が日本に紹介される様になり、患者さん達にとっても放射線の選択肢が広がったと言う事は大変嬉しいですね。特に毎日放射線のためにだけ病院、クリニックに通うのは大変です。医療機関に遠い所のお住まいの方々の治療時間が少しでも短縮する事ができるなら,治療中の時間の過ごし方もとても便利になります。

BCネットワークよりのコメント

注意:すべての乳がん患者さんに適応できるわけではありません。ご自分の治療に適当であるかどうかをよくご自身の医師と医療関係者とご相談ください。