おっちゃん、ゾフィちゃんのもとへ | とりきちTagebuch

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ドイツ・ベルリンから鳥好きの とりきちが、
一緒に暮らす鳥達、家族、ドイツの鳥事情を日記につづります。

 

 

ツイッターでは短くお知らせいたしましたが、

昨日の夕方、おっちゃんが旅立ちました。

 

余命宣告を受けてからの約1ヶ月、私もおっちゃんも、

人に決められた運命にあらがおうと必死の毎日を送っていました。

 

今思うと、その1ヶ月は、かけがえのない時間となり、

改めて小鳥との生活の意味を考えさせてくれるものとなりました。

 

おっちゃんのことは言葉にならないほど愛し、慈しみ、

できるならば生き抜いてという気持ちを持って接していましたが、

おっちゃんが苦しむことや、不快なことを取り除き、

寂しさを感じないよう一緒に闘病してきたつもりです。

 

私の意思など関係なく、おっちゃん自身の生きようという力はすざましく、

毎日ツイッターでお伝えしていた、おっちゃんねるの動画からも

それが皆さんにも伝わったのではないかと思います。

 

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昨日の夕方、私は息子ぴーちゃんの幼稚園お迎えがあり、

その抜ける1時間半ほどの間、フロア住人のあみさんに、

その間おっちゃんを見ていて欲しいことをお願いしました。

 

出かける直前、それまで元気だったおっちゃんの呼吸が

荒くなっていたのが気がかりで、後ろ髪を引かれる思いで、

幼稚園へ向かったのでした。

 

ぴーちゃんと横丁オフィスへに向かう途中、あみさんからLINEがあり、

「おっちゃんが駄目かもしれない」というメッセージと電話が入り、

ぴーちゃんと駆けつけました。

 

フロアに入ると、あみさんが手の中で、おっちゃんが旅立ったと

涙ながらに伝えてくれました。

 

おっちゃんは、最後の最後までごはんを食べようとし、

エサ箱に一度転がってしまい、あみさんが毛布でくるみ、

手に乗せた後、眠るように苦しむことなく旅立ったということです。

 

私が、おっちゃんを看取ることができなかったということよりも、

おっちゃんが、心を開いていたあみさんの手の中で、

無事に旅立てたことで安堵したというのが、

正直な気持ちです。

 

もちろん、おっちゃんのそばにいたかった。

 

でも、私は仕事と家庭を持つ身で、それが叶わないことも

覚悟の上で過ごしていたと言えばいいでしょうか。

 

たった一人での介護は体力的にとうてい無理で、

今回、あみさんという力強い存在があったからこそ、

この1ヶ月、私はおっちゃんと向き合えましたし、

時々休養も取ることができ、仕事もこなすことができました。

 

しかし、たとえ、おっちゃんを心から愛してくださったとはいえ、

あみさんを、「看取る」という非常に辛い立場に置いてしまったことに

心から謝るとともに、深くお礼を伝えました。

 

おっちゃんは、スヤスヤ眠っているようで、

ぴーちゃんと私は何度もナデナデして、

がんばったね、おっちゃんと声をかけました。

 

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その後、夫がぴーちゃんを迎えに来てくれ、

しばらく、おっちゃんと過ごす時間ができたとき、

母親として振る舞っていた自分が消え去り、

とりきちとしての、おっちゃんへの想いが後から、後から溢れ出し、

収拾がつかなくなってしまいました。

 

フロアにいたあみさんに声をかけさせていただき、

私の想いを聴いていただき、そして、あみさんも

おっちゃんと過ごしたかけがえのない時間についてお話くださり、

二人で、おっちゃん談義を続けていました。

 

こうして愛する鳥への想いを理解してくれる人が

そばにいることの有り難さを改めて思い知りました。

 

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その後、バスケットに入ったおっちゃんとともに、

私は、本当に久々に帰宅し、家族と一緒に過ごしました。

 

いつもの時間が戻ってくる。

 

でも、そのことに違和感があり、今も、

私のおっちゃんへの想いは止まりません。

 

おっちゃんを枕元に置き、久々のベッドで眠るとき、

落とす涙でおっちゃんが生き返るのではと、

本気で思ってしまった自分がいます。

 

もう少し、冷静になるまで時間がかかりそうですが、

仕事と家庭は今日からいつも通り、こなしていきます。

 

きっとたくさんの方が心配されているのではと思いますが、

このあたりは、オンとオフで気持ちを切り替えますので大丈夫です。

 

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おっちゃんは、ゾフィちゃんが眠る、

ティアハイム・ベルリンのお墓に追葬していただく予定です。

ゾフィちゃんのお墓は、集合墓として利用できます。

 

早ければ今週末に予約を取って、

家族でおっちゃんとのお別れセレモニーをしてきます。

 

最初の写真は、すっぴん&髪バサバサのとりきちですが、

おっちゃんと過ごした楽しい時間を振り返るための

大切な思い出の写真です(あみさん撮影)。

 

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おっちゃん、飼い主としてはダメダメだったとりきちのもとに

来てくれてありがとう。

 

鳥たちだけでなく、私や周囲の人間たちを楽しく笑かしてくれて、

そして勇気をくれたおっちゃん。

 

かっこよくて、ひょうきんで、舎弟のピートや若いカーリーを

大切にしたおっちゃん。

 

愛妻のゾフィちゃんには頭があがらなかったおっちゃん。

 

最後の1ヶ月は、おっちゃんとの絆が深まって、

愛しくて愛しくて、絶対に離れたくないという気持ちになったよ。

 
本当にありがとう。
 
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これからおっちゃんに注いできた愛情を、

今いる小鳥たち、そして日本にいる小鳥さんたちに

変わらず注いでいきたいと思います。

 

おっちゃんのことを応援くださった皆さま、

ありがとうございました。

 

 

とりきち