おっちゃんの意思を叶える:小鳥の看病と人間の役割 | とりきちTagebuch

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ドイツ・ベルリンから鳥好きの とりきちが、
一緒に暮らす鳥達、家族、ドイツの鳥事情を日記につづります。

 

 

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今日のおっちゃん。美味しそうに赤キビ穂をほおばってくれました。

 

こんばんは、とりきちです。

 

とりきち横丁の業務が押しに押している中で、なかなかブログがアップできていない状況が続いています。

 

しかし今日は、鳥を愛する者として、そして鳥さんのご飯や用品を扱うお店の責任者として、ブログを書かせていただきます。

 

+++

 

ちょうど一週間前、おっちゃんに余命宣告がされ、まるで死神が訪れることを恐れるかのように、毎日を過ごしていたと言っても嘘ではありません。

 

でも、おっちゃんは、その命のリミットを自らの力で超えることができました。

 

おっちゃん風に言わせれば、

 

他人さんに何で決められなあかんの、とりきちっちゃん!

そんなん、かっこ悪いやろ。

おっちゃんな、自分で決めたるわ。

 

です。

 

 

あれから何度となく、悪い体調の波が押し寄せても、おっちゃんはくいしばり、乗り越え、「今」という時間を過ごしています。

 

とにかく、食べることへの執念がすごいのです。

 

負けへんでー!

 
見てください、この表情を。
 
私はおっちゃんのそばで見守る者として、畏敬の念すら感じています。
 

+++

 

私は、おっちゃんのその意志を理解し、手助けすることに徹しています。

 

彼が少しでもケージで快適に過ごせる環境を整えていくのが、私の役割です。

 

おっちゃんのケージは、下の写真の真ん中です。

 

 

 

もともとは非常に大きなケージですが、ケージの3分の1あたりに、底上げ板を取り付け、もう上手く飛ぶことができない、おっちゃん仕様に、早い段階で切り替えました。

 

ともかく、まだそんなに悪い兆候がなくとも、万が一を考えて、先手、先手で環境を整えて、病気の鳥がある日突然、ケージで落下し、二次的な障害を持つことを防ぐのが大切です。

 

これらは、たくさんの過去の失敗と、最近ではモーリッツじーちゃん、ゾフィちゃんを看病してきた経験から学びました。

 

底上げしたケージの全体です。

 

 

 

底上げ板は2枚使用し、どちらも、画像のようにフックでかけられます。長さがスライド調節できるため、おっちゃんケージは完全な底上げ状態にすることができました。

 

こちらが、その板の裏面。

 

 

ドイツで鳥用、小型動物用に販売されている製品です。

 

ケージの奥行きの都合上、2枚の別の板を、少し段差を変えて設置する必要がありました。

 

緩い段差があるケージ内の様子です。

 

 

下段におっちゃんが行くことは、今ではほとんどありませんが、ケージの外に出るとき、ヤナギの橋を階段代わりにして、降りていっていました。

 

上段には、おっちゃんの、バリアフリー居住スペースがあります。

 

おっちゃんは基本、一番奥左のベッドスペースで眠っています。

 

ベッドは「インコのお布団」を毎日、ペーパータオルでくるみ、清潔にしています。

 

すべて白いペーパータオルにするのは、おっちゃんの糞の出る量、そして糞の状態を見るためです。

 

さらにペーパータオルの上の糞を見れば、おっちゃんがそれまでどこにいたのかも一目瞭然です。

 

また、翌日、白いペーパータオルの上のエサの状態をよく見れば、おっちゃんが何を食べていたのかも判り、おっちゃんに合ったメニューを考える上で参考になります。

 

調子が良いときは、そばの止まり木にも止まっていますが、体調が悪いときは、ベッドから出てそのままご飯、水、菜っ葉などすべてがバリアフリーで食べられる状態にしています。

 

 

上から。

 

おっちゃんの現在の行動範囲は、かじり棒が見えているくらいまでです。

 

おっちゃんのベッド周辺の黒い壁は、動物用ヒーターです。

 

おっちゃんが体をべたーと付けて眠るのも、暖かいためでもあります。

 

ちなみに、おっちゃんケージの上には、温熱球を設置し、ケージ全体が今は26,7度になるようにサーモスタットで調整しています。

 

こちらは、おっちゃんケージのテラス(上部)エリア。

 

 

元気なときは、今でも時々、この高みにやってきて、カーリーやピートと談笑しているほか、彼らが食事に入ると、おっちゃんも釣られて、足元のお休みボードに用意したご飯を食べています。

 

カーリーたちがケージの上から、おっちゃんのところに来たときには、おっちゃんが、彼らと同じ物を食べられるように、おやつの配置も工夫しました。

 

 

お一人さま止まり木なども複数設置していますが、落下防止のため、その下には、落ちない階段を配して、安全策を取っています。

 

 

看病にあたる方にお勧めしたいのは、ウェブカム(ウェブカメラ)です。

 

お持ちの方も多いと思いますが、これのおかげで、暗闇でも、いつでも、どこでも、おっちゃんの様子を動画で、つぶさに観察できるようになりました。

 

私は夜、とりきち横丁オフィスで仕事をしていますが、暗闇の中のおっちゃんの様子をスマホでリアルタイムに確認でき、万が一が起きたときに備えることができています。

 

 

暗闇の中のおっちゃんをとらえたウェブカム画像。

 

帰宅しても、スマホを常にONにしておき、動画を逐一確認して、おっちゃんの異変に対応できるようにしています。

 

人間の私にできるのは、こうした環境設定です。

 

今回のおっちゃんの看病で、その重要さを実感しているのは「仲間の存在」です。

 

おっちゃんの様子を見守るカーリーとピート。

 

カーリーとピートが何度となく、おっちゃんの周囲に集い、声をかけ、励まし、ご飯を食べるようになる様子を見てきました。

 

同じ鳥だけしか分からない感覚と言えばいいのでしょうか。

 

何もしていなくても、仲間同士は通じ合っていて、その存在をバネに、おっちゃんが自分を奮い立たせ、生きよう!という気持ちになれるのです。

 

かつてのゾフィちゃんも、おっちゃんが来て劇的に変わり(こちら)、あのカナリアのモーリッツじーちゃんだって、ハッケとペーターが来たことで、再び飛ぼう、高くへ行こうと思うようになりました(こちら)。

 

日中、ケージを横並びではなく向かい合わせにすることで、おっちゃんがカーリーとピートの前に行き、そこでご飯やおやつを必死に食べる様子を見てきました。

 

 

 

カーリーがケージの上に遊びに来たときは、ベッドから這い出て、おっちゃんが上までやってきました。

 

大好きなカーリーが食べるから、おっちゃんも食べるんです。

 

集団行動を営む彼らにとっては、それが当たり前のことなのだと分かります。

 

見て下さい、この、おっちゃんの嬉しそうな表情を(笑)

 

カーリーと食べると、なんでも最高やなー♡

 

もう体力で言えば、本当に限界のところに来ているおっちゃんが、カーリーに会いたくて、ケージを昇ってくるんです。

 

+++

 

ですが、昨日(火曜日)から、急激に体力が衰え出した、おっちゃん。

 

 

ベッドでべたーっと眠る姿をみかねて、つい、インコ毛布をかけてしまいました。

 

その夜が山場と思い、仕事をしながら、おっちゃんの様子をずっとスマホで見守っていましたが、なんとか持ちこたえてくれ、ブログの冒頭のような元気な様子を今朝も、見ることができました。

 

体重は43グラムまで下がっていますが、定期的におっちゃんはご飯を食べていることで、今のところ、それ以上は下がっていません。

 

 

今は、「生きたい」という気力と執念で、おっちゃんは存在しているように思えます。

 

+++

 

 

今日のブログでは、おっちゃんの看病の詳細(薬、ご飯なども含めて)まで書けませんでした。その点はお許しください。

 

 
今回のブログで伝えたかったことを、まとめます。
 
愛する鳥との生活には、いつか必ずお別れがやってきます。
 
そのときに、飼い主であり家族である私たち人間ができる最善のことは何なのかを、早い段階に考えて、準備しておくことはとても大切だと思います。
 
当事者である、鳥たちにとって最善とは何なのか?
医療面だけが整っていれば良いのか?
病院の無菌室で最期を迎えるのがベストなのか?
ご飯や環境は?
人間ができることは他にないのか?
 
これらを考えていく上で、私は鳥たちの意思が考慮されるべきだと思いますし、その意思は、彼らの、ちょっとした行動やサインから読み取れるものだと考えます。

 

今回のおっちゃんにとっては

 

 
生きたいねん、仲間と一緒にいたいねん。
 
の一言に尽きます。
 
それには、「安楽死」ではなく、痛みを緩和するお薬を投与してもらうことで、残された生活の質を少しでも上げ、仲間である、カーリー、ピート、そしてカナリアたちといる時間を確保しました。

 

おっちゃんを見守ってくださる皆さん、本当にありがとうございます。

 

お一人ずつメールやコメントにお返事できていませんが、すべて拝読しています。
 
まだまだ頑張りますので、応援下さい。

 

 

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