今日のおっちゃん。美味しそうに赤キビ穂をほおばってくれました。
こんばんは、とりきちです。
とりきち横丁の業務が押しに押している中で、なかなかブログがアップできていない状況が続いています。
しかし今日は、鳥を愛する者として、そして鳥さんのご飯や用品を扱うお店の責任者として、ブログを書かせていただきます。
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ちょうど一週間前、おっちゃんに余命宣告がされ、まるで死神が訪れることを恐れるかのように、毎日を過ごしていたと言っても嘘ではありません。
でも、おっちゃんは、その命のリミットを自らの力で超えることができました。
おっちゃん風に言わせれば、
他人さんに何で決められなあかんの、とりきちっちゃん!
そんなん、かっこ悪いやろ。
おっちゃんな、自分で決めたるわ。
です。
あれから何度となく、悪い体調の波が押し寄せても、おっちゃんはくいしばり、乗り越え、「今」という時間を過ごしています。
とにかく、食べることへの執念がすごいのです。
負けへんでー!
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私は、おっちゃんのその意志を理解し、手助けすることに徹しています。
彼が少しでもケージで快適に過ごせる環境を整えていくのが、私の役割です。
おっちゃんのケージは、下の写真の真ん中です。
もともとは非常に大きなケージですが、ケージの3分の1あたりに、底上げ板を取り付け、もう上手く飛ぶことができない、おっちゃん仕様に、早い段階で切り替えました。
ともかく、まだそんなに悪い兆候がなくとも、万が一を考えて、先手、先手で環境を整えて、病気の鳥がある日突然、ケージで落下し、二次的な障害を持つことを防ぐのが大切です。
これらは、たくさんの過去の失敗と、最近ではモーリッツじーちゃん、ゾフィちゃんを看病してきた経験から学びました。
底上げしたケージの全体です。
底上げ板は2枚使用し、どちらも、画像のようにフックでかけられます。長さがスライド調節できるため、おっちゃんケージは完全な底上げ状態にすることができました。
こちらが、その板の裏面。
ドイツで鳥用、小型動物用に販売されている製品です。
ケージの奥行きの都合上、2枚の別の板を、少し段差を変えて設置する必要がありました。
緩い段差があるケージ内の様子です。
下段におっちゃんが行くことは、今ではほとんどありませんが、ケージの外に出るとき、ヤナギの橋を階段代わりにして、降りていっていました。
上段には、おっちゃんの、バリアフリー居住スペースがあります。
おっちゃんは基本、一番奥左のベッドスペースで眠っています。
ベッドは「インコのお布団」を毎日、ペーパータオルでくるみ、清潔にしています。
すべて白いペーパータオルにするのは、おっちゃんの糞の出る量、そして糞の状態を見るためです。
さらにペーパータオルの上の糞を見れば、おっちゃんがそれまでどこにいたのかも一目瞭然です。
また、翌日、白いペーパータオルの上のエサの状態をよく見れば、おっちゃんが何を食べていたのかも判り、おっちゃんに合ったメニューを考える上で参考になります。
調子が良いときは、そばの止まり木にも止まっていますが、体調が悪いときは、ベッドから出てそのままご飯、水、菜っ葉などすべてがバリアフリーで食べられる状態にしています。
上から。
おっちゃんの現在の行動範囲は、かじり棒が見えているくらいまでです。
おっちゃんのベッド周辺の黒い壁は、動物用ヒーターです。
おっちゃんが体をべたーと付けて眠るのも、暖かいためでもあります。
ちなみに、おっちゃんケージの上には、温熱球を設置し、ケージ全体が今は26,7度になるようにサーモスタットで調整しています。
こちらは、おっちゃんケージのテラス(上部)エリア。
元気なときは、今でも時々、この高みにやってきて、カーリーやピートと談笑しているほか、彼らが食事に入ると、おっちゃんも釣られて、足元のお休みボードに用意したご飯を食べています。
カーリーたちがケージの上から、おっちゃんのところに来たときには、おっちゃんが、彼らと同じ物を食べられるように、おやつの配置も工夫しました。
お一人さま止まり木なども複数設置していますが、落下防止のため、その下には、落ちない階段を配して、安全策を取っています。
看病にあたる方にお勧めしたいのは、ウェブカム(ウェブカメラ)です。
お持ちの方も多いと思いますが、これのおかげで、暗闇でも、いつでも、どこでも、おっちゃんの様子を動画で、つぶさに観察できるようになりました。
私は夜、とりきち横丁オフィスで仕事をしていますが、暗闇の中のおっちゃんの様子をスマホでリアルタイムに確認でき、万が一が起きたときに備えることができています。
暗闇の中のおっちゃんをとらえたウェブカム画像。
帰宅しても、スマホを常にONにしておき、動画を逐一確認して、おっちゃんの異変に対応できるようにしています。
人間の私にできるのは、こうした環境設定です。
今回のおっちゃんの看病で、その重要さを実感しているのは「仲間の存在」です。
おっちゃんの様子を見守るカーリーとピート。
カーリーとピートが何度となく、おっちゃんの周囲に集い、声をかけ、励まし、ご飯を食べるようになる様子を見てきました。
同じ鳥だけしか分からない感覚と言えばいいのでしょうか。
何もしていなくても、仲間同士は通じ合っていて、その存在をバネに、おっちゃんが自分を奮い立たせ、生きよう!という気持ちになれるのです。
かつてのゾフィちゃんも、おっちゃんが来て劇的に変わり(こちら)、あのカナリアのモーリッツじーちゃんだって、ハッケとペーターが来たことで、再び飛ぼう、高くへ行こうと思うようになりました(こちら)。
日中、ケージを横並びではなく向かい合わせにすることで、おっちゃんがカーリーとピートの前に行き、そこでご飯やおやつを必死に食べる様子を見てきました。
カーリーがケージの上に遊びに来たときは、ベッドから這い出て、おっちゃんが上までやってきました。
大好きなカーリーが食べるから、おっちゃんも食べるんです。
集団行動を営む彼らにとっては、それが当たり前のことなのだと分かります。
見て下さい、この、おっちゃんの嬉しそうな表情を(笑)
カーリーと食べると、なんでも最高やなー♡
もう体力で言えば、本当に限界のところに来ているおっちゃんが、カーリーに会いたくて、ケージを昇ってくるんです。
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ですが、昨日(火曜日)から、急激に体力が衰え出した、おっちゃん。
ベッドでべたーっと眠る姿をみかねて、つい、インコ毛布をかけてしまいました。
その夜が山場と思い、仕事をしながら、おっちゃんの様子をずっとスマホで見守っていましたが、なんとか持ちこたえてくれ、ブログの冒頭のような元気な様子を今朝も、見ることができました。
体重は43グラムまで下がっていますが、定期的におっちゃんはご飯を食べていることで、今のところ、それ以上は下がっていません。
今は、「生きたい」という気力と執念で、おっちゃんは存在しているように思えます。
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