久々に取り出したプラナー50mm

これはコンタレックス用のレンズ。

 

 コンタレックスは大名カメラといわれたほど

高価だったカメラで、当時は米国へ相当輸出されたらしい。

 当然90年代のブームの頃は、中古カメラ店の奥に堂々と

鎮座しており、とっても高いカメラで触ることすらなかったカメラである。

 

 10年程前に、セレン式のコンタレックスを入手、

その時に付いてきたレンズ。

 

コンタレックスは世界初の一眼レフ連動露出機構を備えたカメラでもあります。

仕上げの良さ、シルキーなフォーカシング、まさにドイツの粋とはこのことを言うのかなと思えるカメラです。
カメラの重さは手振れって何?と思わせるほどショックが少ないカメラです。
露出機構は見事で、セレン光電池の前面にレンズとおなじような絞りがありこれで露光を調整、凄い仕組です。

 

その後、CDS露出計になったコンタレックススーパーも使いました。

コンタレックスはフィルム装填がマガジン式になっていて、

途中でカラーフィルムからポジフィルムに替えて撮影なんてことも

出来る夢のカメラです。

 

このカメラで当時居た震災後の宮城、岩手と撮影しました。

震災後に咲いた桜並木の淡いピンク色は今でも忘れられません。

 

 さてこのレンズ、良く写ります。

当時のコンタレックスのカタログには、レンズはこれ一本持っていれば

すべての目的に使える!と書かれていたそうで。

 なので、ツァイスが認めた万能レンズです。

 

このクロームのプラナーはすごいのです。(初期型)



描写はもちろんですが、最短が約25cmまで寄れるんですね。

接写っぽく使われるシーンも網羅しています。

接写の場合は絞って使うのが一般的なのですが、

40cm以下に寄っていくと、近接時の露光不足の補正のために

わずかに絞り羽根が開いていくんです。

機械的にこの構造をつくるのはすごいとおもいますね。

 

今ではボディは売ってしまって手元にないのでデジタルで使います。

コンタレックスのレンズは絞りダイヤルがボディ側にあるので

マウントアダプターに絞りダイヤルが付いた仕様になっています。



 

 このアダプターは今でも14,000円くらいする高価なものです。

アダプターが出た時は、高くてなかなか買えなかったので、

出張時に香港で買いました。KIPONのアダプターで6,000円くらい

と安かったのを覚えています。

 チムサーチョイのネーザンロードをちょっと入ったところに

中古カメラビルがあるのです。

 店主に、日本で買ったら値段は倍!と伝えたらびっくりしてましたね。

 

 さて、アダプターを買ったら撮影できますが、

専用フィルターとフードも欲しいところです。

コンタレックスのレンズフィルターは専用のバヨネット式なんですね。

これがめんどくさい。

UVフィルターはヤフオクで見つかり、フードはだいぶ探して

アメリカから買いました。このフードは50mm135mm共通で使えるのが便利です。

そして金属の塊の真四角フードでかっこよいのです。

 



 久々に引っ張りだしてきたのでちょっと撮ってみます。

 

最短25cm 絞り開放 これだけ寄れます

 

これでボケの感じがわかるでしょうか・・・

 

最短25cm 絞りF4 近接撮影が簡単に!まさに万能レンズ

 

 デジタルで撮ると、マニュアルレンズは、ファインダーを拡大してピントを合わせます。

とくに開放でこのピントを見ると、そのレンズの個性がわかりますね。

このレンズはF値2のせいもありますが、開放から芯のある写りをしてくれます。

そしてきめ細かくなだらかなボケ具合はさすが!といつも感嘆させられます。

 

万能レンズなので、広角レンズ1本、プラナー50mm、90mm1本

と持ち運べば相当使える撮影セットが完成します。