炎天の好きと云えずに割るスイカ




どきゅんぎゅんきゅん

どこまでのずきゅん


炎天のもと

世界はどこまでも白く

入道雲をぐいぐいと押さえつけ

太陽はあんなにあからさまに

照りつけているというのに


さ行の三番目と

か行のの二番目

そのたった二文字を

白すぎる世界で持て余す


さ行のほうをぐるぐると撫でまわしたり

か行のほうをがじがじと齧ったりして

世界はますます白く痛くなる


ええぃ 

ここは さ行も か行も

ぜんぶまとめてひっくるめて

海辺で押し黙って鎮座している

スイカにでも

ぶつけてしまおう


真夏の

ぽんぽんぱんぱん

まんまるで

まるごとがこの世界のような

スイカ



ほんっ とに、ごめん。


受け止めて、スイカ!